柔道 井上監督が退任会見「人生を考えると通過点」

[ 2021年9月30日 15:31 ]

井上康生監督
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 任期満了により退任する柔道男子日本代表の井上康生監督(43)が30日、オンラインで退任会見に臨み、「現役生活も9年間の監督生活も、人生を考えると通過点に過ぎない。貴重な経験を次にどう生かすか。それが価値。ほっとしている時間もない。さまざまなことに取り組まないといけない」と早くも今後への抱負を語った。井上監督はきょう30日を持って退任。あす10月1日付けで強化副委員長に就任するとともに、全日本柔道連盟が新たに立ち上げたブランディング戦略推進特別委員会の委員長(チーフストラテジーオフィサー)として柔道の普及活動にも取り組む。

 井上監督は日本男子が五輪史上初めて金メダルなしに終わった12年ロンドン五輪後に篠原信一氏の後任として監督に就任。現場トップとして様々な改革に着手し、五輪では16年リオデジャネイロで金2個を含む全7階級メダル、今夏の東京大会では史上最多の金5個をもたらす手腕を発揮した。一方で最重量級である100キロ超級の五輪金メダル獲得には届かず、「重たいクラスのより一層の強化が課題。本当の意味で(重量級の再建は)達成できなかった。強化副委員長として一緒に闘いたい」と鈴木桂治新監督(41)を全力で支える考えを示した。

 五輪終了直後、「選手はメダルをもらえるのに、なぜ監督はもらえないの?」と素朴に疑問を持った4人の子供たちから、手作りの金メダルを贈られたことを自身のSNSで明かしていた井上監督。この日も改めて「監督として、親としてもうれしかった。家族の力や存在が、私の大きなモチベーション、エネルギーになっていた。これからも家族の会話に入れてもらえるように頑張りたい」と最愛の家族に感謝した。

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2021年9月30日のニュース