横綱・白鵬が引退、年寄「間垣」襲名 誓約書サインで異例の承認

[ 2021年9月30日 17:30 ]

照ノ富士を下し、45度目の優勝を果たした白鵬。これが現役最後の一番となった
Photo By 共同

 日本相撲協会は30日、東京都墨田区の両国国技館で定例理事会を開き、現役引退を申し出ていた大相撲の第69代横綱白鵬(36)=本名白鵬翔、モンゴル出身、宮城野部屋=の引退と年寄「間垣」の襲名を承認した。優勝45度をはじめ数々の史上1位記録を樹立したが、現役時代の問題行動を鑑み、年寄として協会規則を守るなどの誓約書にサインした上での異例の承認となった。

 白鵬は10月1日午後に国技館で引退会見を開く。今後は宮城野部屋付きとして後進を指導する。

 2019年3月の春場所千秋楽で優勝インタビューの最後に観客とともに三本締めをして、けん責処分を受けるなど言動が何度も批判を浴びた。協会によると、5月の名跡継承の際に年寄資格審査委員会から言動について忠告したが、7月の名古屋場所千秋楽で派手にガッツポーズしたり、無観客開催の東京五輪を観戦に訪れたりしたことが問題視された。29日の審査委で「10年間は部屋付きの親方として親方業を習熟すべき」など厳しい意見が続出した。

 理事会では「大相撲の伝統文化や相撲道の精神、協会の規則・ルール・マナー、相撲界の習わし・しきたりを守り、そこから逸脱した言動を行わないこと」などの事項を厳守するとの条件で襲名を認めるとし、白鵬が誓約書に署名した。

 白鵬は右膝のけがなどで昨年7月場所から6場所連続休場。進退を懸けた名古屋場所で15戦全勝の復活優勝を遂げたが、関係者によると右膝の回復が遅れていた。26日千秋楽の秋場所は宮城野部屋に新型コロナウイルス感染者が出て全休した。

 01年春場所に初土俵を踏み、右四つでの多彩な攻めを武器にスピード出世した。10年に史上2位の63連勝をマーク。19年9月に日本国籍を取得し、親方として相撲協会に残る資格を得た。

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