崖っ縁から3連勝…吉田知那美「超カッコ悪かった。でも私たちはロコ・ソラーレであればいい」

[ 2021年9月12日 22:29 ]

カーリング・女子日本代表決定戦最終日 ( 2021年9月12日    北海道稚内市・みどりスポーツパーク )

カーリング女子日本代表決定戦第5戦、日本代表に決まり、喜ぶロコ・ソラーレの(右から)藤沢五月、吉田夕梨花、石崎琴美、鈴木夕湖、吉田知那美(代表撮影)
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 18年平昌五輪で銅メダルを獲得したロコ・ソラーレが、22年北京五輪へ大きく前進した。北海道銀行との“5番勝負”の最終第5戦を8―6で制し、北京最終予選(12月、オランダ)に出場する日本代表の座をつかんだ。最終予選3位以内で北京出場が決まる。

 連敗で一気に王手をかけられたが、11日の第3戦を9―3と大勝すると、この日の第4戦も8―6で制して2勝2敗のタイに。最終決戦となった第5戦は着実に得点を重ね、終始リードを保って押し切った。

 勝利の瞬間、座り込んで涙を流したサードの吉田知那美は「ずっと怖かったんですけど、ようやくクモの糸が降りて来たような気持ちです」と喜びを表現。前日2連敗して追い詰められた後、「チーム全員で話をした」と明かし、「作戦のレパートリーも上回っていて、ショット率も上回っていて、ラインも美しく滑っているのに星だけ取れない。最後に何がないのかっていったら、私たちには運がなかったんです。なので、運が味方してくれないんだったら、自分たちで運命変えようって。今回は相手は北海道銀行さんではなく、私たちの運命と戦った気持ちです」と大逆転劇を振り返った。

 平昌五輪で銅メダル獲得後、「この1、2年のロコ・ソラーレはカッコつけていた」と振り返り、「カッコつかないんだからつけるのやめよう、ロコ・ソラーレらしくやろうって。そんな気持ちで戦いました」と吉田知。この日は“自分たちらしさ”が出せたといい、「超カッコ悪かったです。超ダサかった。でも私たちはトップアスリートにならなくてよくて、私たちはロコ・ソラーレであればいいので。自分を誇りに思います」と胸を張った。

 ▼吉田夕梨花 チームを誇りに思います。2連敗したお陰で覚悟も決まって腹をくくって“やるしかない”って思っていたので。2月のミックスダブルスで2連敗からの8連勝で優勝していたので、2連敗は大丈夫だなって。リードとして後ろのメンバーが楽になれば、私はこのゲーム勝ったって言えるので、どれだけ後ろを楽にさせるか、それだけでした。

 ▼鈴木夕湖 2連敗するまでは実力を出し切れば勝てると思っていたが、2連敗した後に実力を出し切るだけじゃなくてもっと気持ちを全面に出して、勝ちたいっていう強い気持ちを出さないといけない、とみんなで話してそこから切り替えられたのが良かった。本当にチーム、最高です。

 ▼石崎琴美 選手として戻ってこれたのは、ここにいる4人が一緒にやりたいって言ってくれたから。こんな素晴らしい素敵な気持ちにもう一度させてもらえることに、選手として送り出してくれた所属先に感謝の気持ちでいっぱいです。2敗してから短い時間で気持ちを切り替えてこれだけやってのける、こんなチームメートとともにできることが本当に幸せだし、もっと強くなるみんなを一番近くで見ていきたい。

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