パラ柔道・瀬戸“下克上”の銅 敗者復活から勝ち上がり「めっちゃうれしい」

[ 2021年8月28日 05:30 ]

東京パラリンピック第4日・柔道 ( 2021年8月27日    日本武道館 )

パラリンピック柔道男子66キロ級3位決定戦、一本勝ちで銅メダルを決める瀬戸=左(撮影・木村 揚輔))
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 柔道男子66キロ級で初出場の瀬戸勇次郎(21=福岡教大)が3位決定戦でガムヤシビリ(ジョージア)に一本勝ちし、銅メダルを獲得した。2回戦で敗れたものの敗者復活2回戦から勝ち上がり、16年リオ大会の藤本聡(さとし)に続いて日本勢2大会連続3位になった。

 勝負の畳を下りると、抑えていた感情があふれた。瀬戸は何度もガッツポーズし「めっちゃうれしいです。メダルを獲れたことが実感できた」と笑った。

 銅メダル決定戦。序盤に得意の大内刈りを返され、相手に技ありを取られた。それでも集中は切れなかった。残り2分、相手の動きを見極め、内股透かしで一本勝ち。「狙ったわけではない。反応できた」。積み重ねた練習が、体に染みついていた。

 先天性の弱視により、敏感に光を感じてしまう。4歳から柔道を始め、福岡・修猷館高時代に団体戦の全国大会に出場した実績を買われてパラ柔道の関係者に声を掛けられた。高校3年に転向を決断。「組んだ状態から始まるので相手が物凄く近くにいることが恐怖だった」。自らを奮い立たせてきた。

 パラ3連覇のレジェンド藤本を押しのけて代表の座をつかんだ。今年5月の合宿では藤本から細かい手の動かし方の技術を叩き込まれた。「藤本さんは自分の柔道をつくっている一部。感謝している」。伝説の存在から受け取ったバトンをつないだ。

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