VリーグJT監督・吉原知子氏が強豪ブラジル戦占う ブロックフォローから自分たちの攻撃につなげる

[ 2021年7月29日 05:30 ]

ケニア戦でトスを上げる籾井
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 64年東京五輪のバレーボール女子は“東洋の魔女”が金メダルを獲得して日本中を沸かせた。魔女たちの伝統を受け継ぐ“火の鳥ニッポン”も今、世界の頂点を目指して1次リーグを戦っている。1勝1敗で迎える第3戦の相手は強豪のブラジル。絶対に負けられない一戦を前に、元代表主将で現在はVリーグのJT監督として2連覇中の吉原知子氏(51)に、勝負のポイントを解説してもらった。

 日本は初戦で古賀選手が負傷してリタイアするアクシデントがありましたが、どういう形であれ3―0でしっかり勝ち切れたのは良かったと思います。

 2戦目のセルビアは相手のセッターが素晴らしかったですね。第1セットはエースのボスコビッチに徹底してボールを集め、2セット目に入ると今度は一転してミドルを多用。ミドルを印象づけておいて勝負どころになるとまたボスコビッチを使うなど、変幻自在なトスワークで最後まで日本に的を絞らせませんでした。

 ただ、0―3で敗れたとはいえ、日本も内容は悪くなかった。全体的にレシーブは良かったし、相手の攻撃に対してしっかり拾い、切り返して自分たちで点を取る形もできていました。我慢して粘り強く戦うのが日本の持ち味で、前半で離されても追いつき、どのセットも中盤までは互角に渡り合っていました。勝負を分けたのは20点以降の戦いで、後半の勝負どころでどうやって点を取るか、拾ってからどうやって自分たちで点を重ねていくかが今後の課題になるでしょう。

 次戦のブラジルは言うまでもなく強敵です。ガビ、タンダラ、ガライなどパワフルな選手がそろい、6月のネーションズリーグでも日本は1―3で敗れています。身体能力に優れたパワフルなスパイクをどうやって止めるか。一度で止められなければ少しでも決定率を落とさせるように努めて、そこから逆に自分たちの攻撃につなげる。その辺の対策はミーティングでも入念にやっているはずなので、指示通りにできれば勝機はあるはずです。

 ブラジルに限らずどこも相手は大きな選手ばかりなので、できればもう少しブロックフォローで頑張りたいですね。自分たちの形になった時はいい攻撃ができているので、2段トスとか苦しい状況になった時にもう少しリバウンドを取るとか、ブロックフォローで頑張って、そこからもう一度自分たちのいい状態をつくっていければもっと点が取れる。

 古賀選手のリタイアは痛いですが、代わりに出た石井選手や林選手も頑張っているし、今はとにかく全員で頑張るしかありません。セッターの籾井選手も初戦は緊張したようですが、2戦目はしっかりとチームにリズムをつくれていました。田代選手も流れが相手に行きそうなところでこちらに引き戻せていましたし、チームとしては確実に良くなっていると思います。

 各組の4位以内に入れば決勝トーナメントには進めます。ただ、準々決勝の組み合わせを考えれば少しでも上の順位で通過しておきたいところです。絶対的なエースがいない日本はとにかく全員で頑張ること。我慢して粘り強く戦っていけば必ず道は開けると信じています。

 ◇吉原 知子(よしはら・ともこ)1970年(昭45)2月4日生まれ、北海道出身の51歳。北海道・妹背牛(もせうし)商を卒業後、88年に日立入社。日本人初となるプロバレーボール選手として海外リーグでプレー。92年バルセロナ、96年アトランタ、04年アテネ五輪出場。06年に引退した後は、指導者を目指して筑波大学大学院で体育学修士課程を修了。15年にVリーグ・JTの監督に就任し、昨季から2季連続優勝に導いた。

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