【玉ノ井親方 視点】照ノ富士 安易に出過ぎた本割 決定戦しっかり修正

[ 2021年5月24日 05:30 ]

大相撲夏場所 千秋楽 ( 2021年5月23日    両国国技館 )

伊勢ヶ浜審判部長(左)に優勝旗を手渡される照ノ富士(撮影・久冨木 修)
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 照ノ富士は優勝決定戦で、同じミスを繰り返さなかったことが勝因だ。本割の一番は低い姿勢で当たった後に安易に前に出過ぎて足がついていかなかった。その反省から決定戦は相手をしっかり見て立った。差し手を狙いながら前に出ると、貴景勝の体勢が低いのを見て上からはたいて勝負を決めた。

 今場所は終盤の連敗はあったが、常に先手先手で攻めていて相撲内容が安定していた。特に左上手を取るのが速くなり、危なげない取り口が多くなった。来場所は綱獲りが懸かるが、今の状態なら課題はない。後は精神面だけだろう。

 一方の貴景勝はよく決定戦まで持ち込んだ。ただ、当たった後に一度沈み込むような動作を入れるのが気になった。今場所何度かそういう場面が見られた。癖になっているのだろう。低い姿勢で攻めようとしているのは分かるが、その分攻め遅れる。相手の反撃を許す隙を与えてしまう。修正が必要だろう。(元大関・栃東)

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2021年5月24日のニュース