白鵬休場、手術へ 宮城野親方、医師に言われた「この状態で取ったら、もう相撲を取れなくなる」

[ 2021年3月16日 13:10 ]

横綱・白鵬
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 大相撲の横綱・白鵬(36=宮城野部屋)が名古屋場所(7月 日初日、ドルフィンズアリーナ)で進退を懸けることになった。春場所3日目の16日、日本相撲協会に「右膝蓋大腿関節軟骨損傷、関節水腫で手術加療を要する。術後、約2カ月のリハビリテーション加療を要する見込み」との診断書を提出し、休場した。5場所で連続の休場で、3日目の対戦相手の阿武咲(24=阿武松部屋)は不戦勝となった。

 取材に応じた師匠の宮城野親方(元幕内・竹葉山)は膝に水が慢性的にたまる状態と説明し「(医師から)この状態で取ったら、もう相撲を取れなくなると言われた」と説明した。今月中にも右膝の手術を受ける予定。5月9日に初日を迎える夏場所(東京・両国国技館)の出場は厳しい見通しで「本人が名古屋で最後を懸けると言っている」と話した。

 白鵬は右ひざのケガで昨年7月場所を途中休場し、秋、11月場所を全休。今年初場所は場所前に新型コロナウイルスに感染し全休していた。2月中旬の合同稽古には参加し、若隆景らと三番稽古するなど復帰に向け懸命の調整を進めてきた。万全でないなかで出場した春場所。初日は厳しい立ち合いから大栄翔を寄り倒して229日ぶりに勝利を収め、2日目も宝富士を下し2連勝発進だった。

 今場所は4場所連続で休場中だった鶴竜も初日から休場しており、5場所連続で横綱不在となった。休場が多い両横綱は、昨年11月場所の横綱審議委員会で「引退勧告」の次に重い「注意」の決議を受けていた。年6場所となった1958年以降で36歳を過ぎて土俵に上がった横綱は37歳で引退した吉葉山と白鵬のみ。幕内在位は連続100場所を迎え、横綱在位は81場所。体力の衰えとともにケガの回復も遅くなることは否めない。師匠は「今場所はどうしても出ないといけないと思って、精いっぱいやった結果。本人が一番悔しがっている。手術をして再起を懸ける」と代弁したが、厳しい状況に追い込まれたことは間違いない。

 2日目の取組で負傷した西前頭11枚目の琴勝峰(21=佐渡ケ嶽部屋)も休場し、今場所の十両以上の休場者は3人となった。

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2021年3月16日のニュース