「谷間」とは言わせない!稲見がPO制し涙の3勝目 1年目から3年連続V「次はメジャー優勝です」

[ 2021年3月15日 05:30 ]

女子ゴルフツアー明治安田生命レディース最終日 ( 2021年3月14日    高知県土佐CC=6228ヤード、パー72 )

プレーオフ3ホール目、永井花奈が見つめる中、ウイニングパットを決め、ガッツポーズの稲見萌寧(撮影・井垣 忠夫)
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 単独首位で出た99年度生まれの“谷間の世代”稲見萌寧(21=都築電気)は76と崩れ、通算6アンダーで永井花奈(23=デンソー)と並んだが、プレーオフを3ホール目で制した。19年センチュリー21レディース、20年スタンレー・レディースに続くツアー3勝目。プロツアー本格参戦1年目から3年連続で勝ち星を挙げたのは“黄金世代”にあっても世界ランキング7位の畑岡奈紗(22)だけ。もう「谷間」とは言わせない価値ある1勝となった。

 プレーオフ3ホール目の18番グリーン上。1・5メートルの優勝パットを沈めた稲見は青空に向かって両手を突き上げ、きれいな「V」の字をつくった。

 「苦しいところがたくさんありました。最後まで諦めずにいてホントに良かったと思います」。勝利の瞬間、喜びよりも安堵(あんど)の感情が先にこみ上げ、目には涙。稲見にとってはそれほどタフな一日だった。

 3打リードして迎えた最終日。19年にパーオン率1位に輝いた国内屈指のショットメーカーが自慢のショットで苦しんだ。グリーンを捉えることにすら苦労し、6番までに3ボギー。折り返しの10番では第1打を右の崖下に落とし、首位陥落のピンチを招いた。脱出経路を探り出すため高さ30メートルの急斜面を2度往復。息は上がり、頭はパニック寸前となったが、そんな危機的状況の中、稲見は自らの成長を感じ取っていた。

 オフにキックボクシング・トレーニングなどで鍛えた下半身は上り下りを繰り返してもなおどっしり。隣接する15番を逆走するルートを発見すると、ラフから3Wで放った第2打でしっかりと220ヤード先のフェアウエーを捉え、傷口を最小限に抑えるボギーで切り抜けた。

 座右の銘は「忍耐」。18年10月に69歳で他界した祖父・昭さんが最期に稲見に残してくれた言葉だ。「私がゴルフをするきっかけをつくってくれたのがおじいちゃん。全てつらいことを我慢して取り組めばという意味だと思っています」。15、16番では1・2メートルのバーディーパットが続けてカップに嫌われた。何をやってもうまくいかない一日を祖父の教え通り耐えに耐え、21ホール目にしてついに栄冠をつかんだ。

 「1年に1勝という目標は達成。次はメジャー優勝です」。直近の世界ランキングは日本人5番手の63位。メジャー初制覇の先には夢の東京五輪出場。谷間の世代が主役の座を奪うかもしれない。

 ◆稲見 萌寧(いなみ・もね)1999年(平11)7月29日生まれ、東京都出身の21歳。9歳でゴルフを始める。18年プロテスト合格。19年センチュリー21レディースでプロ初優勝を飾った。師匠は奥嶋誠昭プロ。日本ウェルネススポーツ大在学中。1メートル66、58キロ。血液型A。

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