阿部詩「ビビった」378日ぶり実戦で貴重な経験

[ 2021年3月6日 13:05 ]

GSタシケント大会優勝から一夜明け、オンライン取材に応じる阿部詩

 5日に行われた柔道のグランドスラム(GS)タシケント大会第1日で、378日ぶりの実戦復帰を優勝で飾った東京五輪女子52キロ級代表の阿部詩(20=日体大)が一夜明けた6日、オンラインで取材に応じた。阿部は2回戦から登場し、3試合をオール一本で勝ち上がるも、決勝は相手のモンゴル選手が棄権し不戦勝。持ち味とする豪快な担ぎ技も鳴りを潜め、「あまり緊張はなかったが、自分の求めているレベルまで行ってなかったことを試合を通じて分かった」と振り返った。

 今大会は欧州の強豪選手が出場しておらず、実力、実績ともに阿部が頭一つ抜けた存在だった。しかし18、19年世界女王にも1年以上のブランクは大きかったようで、「試合になると思い通りにできない。相手にビビってしまった」と恐怖心すら覚える瞬間があったという。五輪本番へ試合勘を取り戻すことも目的の一つだった大会で、3試合しかできなかったことにも「決勝へ気持ちを切り替えて準備していたが、少しもやもやが残った。(自己評価は10点満点で)5くらい」と話した。

 そんな中でも準々決勝はコロナ禍で取り組んで来た足技で一本を奪い、準決勝は相手の隙を突く関節技で仕留めた。結果的に不戦勝となった決勝前には、日本にいる兄・一二三から連絡をもらい、「自分を信じて頑張れ」と激励を受けたという。兄も世界中の選手に研究され、一時は不振に陥っただけに、「同じ道を進んでいるので、自分も課題を乗り越えたい」と語った。

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2021年3月6日のニュース