まるで魔術師 NTTドコモ・ペレナラ 2トライで開幕2連勝演出 チーム大変身の雰囲気

[ 2021年2月28日 05:30 ]

ラグビートップリーグ第2節第1日   NTTドコモ38ー19NEC ( 2021年2月27日    ヤンマー )

<NTTドコモ・NEC>後半、こぼれ球を拾い笑顔でトライを決めるNTTドコモのTJ・ペレナラ(撮影・亀井 直樹)
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 第2節の3試合が行われ、ホワイト・カンファレンスのNTTドコモは38―19でNECに快勝し、開幕2連勝を飾った。開幕連勝は13年シーズン以来。立役者は、新加入したニュージーランド代表69キャップのSH、TJ・ペレナラ(29)だ。巧みなキックでトライをアシストすれば、40メートル独走を含む2トライでチームをけん引。走って良し、蹴って良しの世界的名手がまるで魔術師のようにピッチを駆け抜けた。クボタは東芝を下し、開幕2連勝を飾った。

 世界最高水準のラグビーが血肉となった男の強さ、速さ、技術、判断力は別格だった。オールブラックスでも中核を担うペレナラが開幕戦に続き、大阪初見参の一戦でも強烈な光を放った。

 「ラグビーボールのバウンドは気まぐれだけど、攻めの気持ちで追い掛ければ、自分の手に入ることが多い」

 その速さと技術、判断力が発揮されたのは5点差まで詰め寄られた後半27分だ。自軍ラインアウトのミスから敵側にこぼれたボールを出足鋭く左手ですくい取り、あっという間に40メートルを走りきって中央へトライ。攻めの1プレーでチームの窮地を救った。強さと技術、判断力が際立ったのは前半35分だ。右足にタックルを受けながら左足のグラバーキックでインゴールに駆け込むWTB山本のトライを演出した。

 試合後はこの日29歳の誕生日を迎えた同じ新加入のウェールズ代表SOウィリアムスとリモート会見に出席し「まあまあ実力のある選手。プレーしやすかった」と冗談交じりに話すウィリアムスと顔を見合わせて笑った。この明るさもチームに活力を与えている。

 開幕連勝した13年シーズンはその後、10連敗したが、今季のドコモは19年W杯で優勝した南アフリカのWTBマピンピが戦術的理由でまだメンバー外。昨季、神戸製鋼に0―97の史上最多得点差で敗れたチームは確実に生まれ変わろうとしている。

 ◆TJ・ペレナラ1992年1月23日生まれ、ニュージーランドのポリルア出身の29歳。本名はトーマス・テカナプ・ラワカタ・ペレナラで、TJはトーマスJr.の略。先住民族マオリの血を引き、左腕のタトゥーには同族への敬意が込められている。マナカレッジ卒。14年6月に代表デビュー。15、19年W杯代表。通算69キャップ、13トライ。NZの強豪ハリケーンズから今季移籍した。妻と昨年8月に生まれた長女とともに来日。1メートル84、90キロ。SH/SO。

 《NEC追い上げ届かず》NECは後半に追い上げたが、14分のトライ(と15分のゴール)以降無得点。開幕2連敗に浅野ヘッドコーチは「(試合終了までの)25分間、我々のラグビーができなかったことは残念」と悔やんだ。NTTドコモのSHペレナラに終始苦しめられたことに、フランカー亀井は「彼の良さを出させてしまったことが今回の敗因でもある」と肩を落とした。

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