NTTコム新加入SHレイドローが逆転トライ 世界レベル見せた!技ありパスダミーで2人置き去り

[ 2021年2月21日 05:30 ]

ラグビートップリーグ第1節   NTTコム41-13ホンダ ( 2021年2月20日    夢の島競技場 )

<NTTコム・ホンダ>前半36分、一瞬、パスを出すと見せかけたNTTコム・レイドロー(中)だったが、向きを変え体ごと飛び込んでトライを決める(撮影・西海健太郎)
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 来季から新リーグに移行するため最後のシーズンとなるトップリーグが新型コロナウイルスの影響で約1カ月遅れで開幕した。NTTコムはホンダを41―13で下し、6季ぶりの開幕戦白星。新加入の元スコットランド代表主将のグレイグ・レイドロー(35)は1トライ、2ゴール、1ペナルティー・ゴールで計12点を挙げた。大物外国人選手が今季のリーグに多数加わったが、世界的なSHがいきなり大車輪の活躍を見せた。

 その瞬間、名手の技がさく裂した。12―13の前半36分、NTTコムは右サイド敵陣深くでスクラムからモールへ。ボールを保持したSHのレイドローは、パスで右へ展開すると見せかけた。最後の門番として構えていた相手2人が惑わされた一瞬の隙を突き、インゴールへ突進。相手のタックルよりもコンマ数秒早くボールを叩きつけた。流れを引き寄せる逆転トライ。「とても良いスタートが切れた」とうなずいた。

 15年、19年W杯で日本代表とも対峙(たいじ)した強豪スコットランドの世界的SH。この日は臨海部の会場で強風が吹いていたが2G1PGをきっちり成功。後半17分には味方のシンビンの影響でスタンドオフの位置から司令塔を担った。12得点でチームは6季ぶりの開幕戦白星。「ゲームの展開に対応できた。チームの勝利に貢献できたことをうれしく思う」と語った。

 百戦錬磨のベテランも、郷に入っては郷に従う。その国の文化や言語を学ぶことが重要と考えており、ラーメンが好物だ。リースエドワード・ヘッドコーチは「チームの誰もが温かく迎え入れている」と好影響を強調し、レイドローも「自分の経験を若手と共有し、ゲームをコントロールするリーダーとしてもチームをサポートしていこうと思っている」と話す。スーパースターの活躍とともに、過去リーグ5位(16~17、18~19年)が最高の中堅チームが優勝候補へ名乗りを上げた。

 ◆グレイグ・レイドロー 1985年10月12日生まれ、英エディンバラ出身の35歳。07年に地元クラブのエディンバラでプロキャリアをスタートし、昨年までは仏クレルモン所属。10年11月以降、スコットランド代表で通算76キャップ。主将として出場した39試合は同代表史上最多。正確なキックを武器に同代表歴代2位の通算714得点をマーク。19年12月に代表引退表明。NTTコムとは2年契約。1メートル76、80キロ。

 ▽21年トップリーグ 現行TL最後のシーズンとなる今季は、当初2ステージ+プレーオフで開催予定だった。開幕延期に伴い、各8チーム2組の1回戦総当たり後、トップチャレンジリーグ(TCL)4強を加えた計20チームによるトーナメント方式のプレーオフが行われ最後の王者の座を懸けて5月23日に決勝(秩父宮)が行われる。22年1月の開幕を目指す新リーグは3部制となり最上位の1部リーグは12チームと現行TLから4チーム減に。ディビジョン分けは今季の成績も一部反映される。

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