佳純 円熟4強 27歳の“ベテラン”変幻対応で5年ぶり優勝へ「昔のように受けて立つ気持ちはない」

[ 2021年1月17日 05:30 ]

卓球全日本選手権第6日 ( 2021年1月16日    大阪市・丸善インテックアリーナ大阪 )

準決勝進出を決めた石川佳純(撮影・北條 貴史)
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 男女のシングルス準々決勝が行われ、女子は東京五輪代表の石川佳純(27=全農)がジュニア準優勝の横井咲桜(16=四天王寺高)を4―1で下して17日の準決勝に駒を進めた。石川が2011年に17歳10カ月で初優勝を飾ってから10年の節目の大会。27歳のベテランは円熟味が増したプレーで歴代3位タイとなる5度目Vを狙っている。男子は張本智和(17=木下グループ)が及川瑞基(23=木下グループ)に1―4で敗れた。

 今年新成人を迎えた伊藤、早田ら若手の勢いに負けてはいられない。5年ぶりの優勝を目指す石川が高校生を下して2年連続で4強に進出。「最終日はもっと思い切りやりたい」と勢いに乗った。

 ベテランらしい対応力が光った。横井のバックハンドにてこずり第2ゲームを1―11で落とすと、戦い方を転換。それまでは出していなかったロングサーブで相手を揺さぶり、ラリー戦ではバックハンドを出させないような厳しいコースを狙い続けた。第3ゲームは7連続得点で流れを引き寄せると、第5ゲームは6―6から5連続得点で試合を決めた。「変化をつけることでパワフルなプレーをさせないように意識した」と胸を張った。

 昨年は国際大会が中止となった分、都内で練習に打ち込む時間的余裕も増えた。技術練習とサーブ練習を徹底できたといい「進歩を感じている」と手応えを得ている。

 “天才女子高生”として22大会ぶりの高校生日本一に輝いてから10年。今では4強に進出した他の3人はいずれも年下だ。かつては4強入りすると自分が一番下だったというが「いつの間にか27歳。自分が一番上で時の流れを感じるときもあるが、負けた原因を年齢にしたくない」と意気込む。

 17日は2勝すれば優勝回数では歴代3位タイの5回目。12年ロンドン五輪団体で一緒に銀メダルを獲得し、先日結婚を発表したばかりの平野早矢香さんの記録に並ぶ。石川は「昔のように受けて立つ気持ちはなくて、自分も相手に向かっていきたい」と闘志をみなぎらせた。

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