玉ノ井親方 大栄翔は動きが硬かった。まだ何が起きるか分からない

[ 2021年1月17日 19:48 ]

大相撲初場所8日目   ○大栄翔(とったり)輝● ○明生(寄り切り)明瀬山● ( 2021年1月17日    両国国技館 )

<大相撲初場所8日目>輝(左)にのど輪で土俵際まで追い込まれた大栄翔はのど輪をしていた左腕をつかむ(撮影・篠原岳夫)
Photo By スポニチ

 単独トップの平幕・大栄翔は動きが硬くなっていた。やはり中日で勝ち越しが懸かった一番ということもあり、前日までとは勝手が違ったようだ。

 上背のある輝に、得意の突き押しが吸収されるような形になり、土俵際まで追い込まれた。最後は相手の左をたぐるようにして土俵の外に投げたが、危ない相撲だった。

 今場所は序盤で3大関を撃破し一気に波に乗った。もちろん横綱、大関であっても15日間、すべていい内容で勝てるわけではない。ただ、この段階で既に硬くなってしまっているところを見ると、2つ差があるとはいえ、まだまだ何が起きるか分からない。

 前日まで1敗の明瀬山を破って、2差をキープした明生はいい相撲を取った。立ち合いで正面から当たり、突っ張って前に出ながら一気に走った。今場所は前に出る圧力があり、力強さも出てきた。四つに組んでもいいが、今日の一番のように自分から当たって、前に出る相撲を取った方が安定感は増す。

 気になるのは、1メートル80と決して上背があるタイプではないのに、大きい相撲を取りたがるところだ。まわしを取るとすぐに投げにいこうとする。だが、投げにこだわらず横から攻めたり、くらいついて取れば取口も安定するし、結果もついてくる。コツコツと稽古をするまじめな力士で、左腕のケガで一時番付を落としていたが、着実に地力をつけてきており、楽しみな存在だ。 (元大関・栃東)

続きを表示

この記事のフォト

2021年1月17日のニュース