白鵬、復活へ 阿武咲圧倒“14番全勝”、右膝状態は「だいぶいい」

[ 2020年12月19日 05:30 ]

ぶつかり稽古で貴景勝(手前)を転がす白鵬
Photo By 代表撮影

 大相撲の合同稽古が18日、東京・両国国技館内の相撲教習所で始まり、右膝の負傷で3場所連続休場中の横綱・白鵬(35=宮城野部屋)が復調をうかがわせた。平幕・阿武咲(24=阿武松部屋)を指名して14番取って全勝。初場所(来年1月10日初日、両国国技館)での復活に向けて、納得の稽古となった。

 復活を目指す白鵬が貫禄を示した。「当たりもあるし勢いもある」という理由で指名した突き押し相撲の阿武咲を寄せ付けず、組み止めてからの投げや寄りで圧倒。14戦全勝としたあとは、ぶつかり稽古で胸を出す体勢で押させて土俵を割り「15番。14勝1敗」と笑った。

 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月の春場所以降は出稽古が禁止となり、力士は各部屋での調整に制限されていた。力士を一堂に集めた合同稽古が実施されるのは10月に続いて2度目。白鵬は前回、正代らと相撲を取ったが「自分の中では全く駄目だった」と言うように、8月に手術をした右膝を再び痛める結果となった。今回は合同稽古を照準に「自分なりに体をつくってきた」ということもあり「まあいい汗をかいたと思う。最後らへん、ちょっと温まって良くなってきた」と納得の稽古となった。右膝の状態については「前回に比べたらだいぶいい」と手応えを口にした。

 自身初の3場所連続休場、2場所連続全休となった11月場所後の横綱審議委員会では、「引退勧告」の次に重い「注意」が決議された。「(期待に)応えていくしかない」と決意を新たにした第一人者は、ぶつかり稽古では初場所で初の綱獲りに挑む貴景勝に胸を出し、何度も転がした。

 これまでは場所直前の出稽古で仕上げていた横綱だが、“新たな稽古様式”を受け止めながら復活を目指していくことになる。合同稽古は23日まで。「多くの人と稽古したい」と意欲を示していた。

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