坂本、GPシリーズ初優勝!SP&フリー1位で完全制覇“紀平1強”に待った

[ 2020年11月29日 05:30 ]

フィギュアスケート グランプリシリーズ第6戦   NHK杯最終日 ( 2020年11月28日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

女子フリーで演技をする坂本花織(代表撮影)
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 女子フリーではショートプログラム(SP)首位の坂本花織(20=シスメックス)が全体トップの153・91点をマークし、合計229・51点でGPシリーズ初制覇を果たした。男子はSPに続きフリーでも1位の188・61点を出した鍵山優真(17=星槎国際高横浜)が、合計275・87点で初出場優勝。アイスダンスで2位発進した村元哉中(かな、27)、高橋大輔(34)組(関大KFSC)はフリーダンス93・10点、合計157・25点とも3位でデビュー戦を終えた。

 これが坂本の真骨頂だ。最後までパワフルな演技を見せると、両手で思い切りガッツポーズ。コロナ下での変則大会とはいえ、初のGPシリーズ頂点に上り詰めた。シニア主要大会で初めてSP、フリーとも1位でそろえる完全制覇。「練習通りできたのが一番。緊張している方がうまくできることが分かった。とてもうれしかった」と笑った。

 フリーは2季目の映画「マトリックス」。序盤のフリップ―トーループの連続3回転を鮮やかに決め、基礎点1・1倍となる後半の2回転半からの3連続ジャンプなど全て完遂。緊迫感のある音楽に乗りスピン、ステップも最高のレベル4でそろえた。

 国際スケート連盟非公認ながらフリーも合計も自己ベストを上回り、フリーでは世界歴代5位の紀平梨花(154・72点)に肉薄する同6位相当、合計点でも同6位の紀平(233・12点)に次ぐ同7位相当。「このフリー曲をクリーンに滑れたことがなかった。ノーミスならこんなに(得点が)出るんだなと」。技術点だけでなく表現力を示す演技構成点でも2位の樋口を7点ほど上回った。

 18年平昌五輪では6位となったが、昨季は主要大会で表彰台に立つことなく、世界選手権の代表からもはじき出された。コロナ禍でリンクでの練習ができない1カ月半は静かに肉体強化に励んでいた。「もう試合で悔しい思いをしたくない」。力強い坂本が帰ってきた。

 2年前の18年12月、全日本選手権の初優勝をこの門真のリンクで決めた。思い出のリンクで自信を取り戻し、来月には再び全日本女王の座を目指す。「全日本ではパーフェクトな演技ができるように。“やったったぞ!”と思える演技がしたい」。紀平1強時代に“待った”をかけた。

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