【玉ノ井親方 視点】貴景勝、照ノ富士と楽日決戦 本割で優勝決めるには立ち合いポイント

[ 2020年11月21日 20:22 ]

大相撲11月場所14日日   ○照ノ富士 寄り切り 志摩ノ海●、○貴景勝 突き出し 御嶽海● ( 2020年11月21日    東京・両国国技館 )

<11月場所14日目>御嶽海(左)を突き出しで破る貴景勝(撮影・郡司 修)
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 1敗の貴景勝と2敗の照ノ富士がそれぞれ勝って、千秋楽の一番に、優勝を懸けて対戦することになった。

 その勝負の展望は後で触れるとして、まずはこの日の一番を振り返りたい。

 照ノ富士は先に右で下手を取れたのが良かった。相手の志摩ノ海が左でおっつけながら押し上げようとしてきたが、右でがっちりまわしを引いていたので慌てることはなかった。右で相手のまわしを引き付け前に出ると、最後は左上手を取ってそのまま寄り切った。危なげない相撲内容だった。

 照ノ富士は終盤にきて相撲の流れが良くなっている。12日目の御嶽海戦以降、前に出る相撲を取り切れているのは自信になっているに違いない

 一方の貴景勝も完ぺきに近い相撲内容だった。相手の御嶽海がスタミナ切れなのか何なのか分からないが、精彩を欠いていることもあって一方的な相撲になった。右差し狙いの御嶽海の腕をはね上げ、一気に前に出て勝負を決めた。

 あすの千秋楽は、その両者が好調をキープしたまま対戦する。

 照ノ富士が逆転優勝するためには、本割と決定戦の2番勝つ必要があるが、こういう展開は追う立場が気が楽。追われる方は逆にプレッシャーがかかる。

 貴景勝にすれば、とにかく本割ですべてを終わらせたい。ポイントは立ち合いだ。しっかり当たって、いかに早く自分の流れをつくれるか。安易にいなしにいくと危ない。照ノ富士も左からのいなしは読んでくるはずだ。大関が休まず、一気に攻め続けることができれば優勝に近づく。照ノ富士はまわしを狙って引っ張り込んでしまうと相手を呼び込んでしまう。最後は気力勝負だ。(元大関・栃東) 

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