貴景勝、単独トップ12勝でV前進 流血も志摩ノ海との1敗対決制した

[ 2020年11月21日 05:30 ]

大相撲11月場所13日目 ( 2020年11月20日    両国国技館 )

<11月場所・13日目>志摩ノ海(左)を攻める貴景勝
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 1敗同士の対決で、一人大関の貴景勝が幕尻の志摩ノ海を押し出し単独トップに立った。元大関の照ノ富士は竜電を押し出し2敗を死守。貴景勝を照ノ富士と志摩ノ海が1差で追う展開になった。

 両者の激しい攻防が歓声自粛の館内を熱くした。優勝の行方を左右する大一番で、貴景勝が幕尻優勝を目指す志摩ノ海を撃破すると悲鳴が歓喜に変わった。大量の鼻血がこぼれる激戦を制して単独トップに立ち、「期待してくださることは凄くうれしい。応えたいという気持ちがある。土俵に上がるのは自分。応えるのも期待を裏切るのも自分次第」とうなずいた。

 立ち合いは頭からぶつかり、もろ手で起こし突き放した。相手の反撃をいなして崩す。しぶとく食らいついてきたところをはたいて泳がせた。勝負を決める時、勢い余って土俵を割りそうになったが持ちこたえ勝利。「(相手は)乗っているのではなく強いから勝っている。幕内で11番勝ってるのは実力」。初場所は千秋楽で徳勝龍に不覚を取り幕尻優勝を許したが、今回は大関の看板を守った。

 2年ぶり2度目の賜杯を引き寄せる価値ある白星。八角理事長(元横綱・北勝海)は優勝争いでの硬さを指摘しつつも「どんどん出ようとしていた。いい相撲。いなしで勝ったけど、タイミングが良かった。攻めた分、後ろも空いていたからね」と攻撃的な姿勢を評価。

 一方、高田川審判長(元関脇・安芸乃島)は崩し技が多い点を挙げて「残り2番、簡単にはいかないかな」と波乱を予想した。

 残り2番も厳しい戦いが続く。14日目は通算8勝8敗の御嶽海。乱れぬ集中力で賜杯へ突き進む24歳は「自分が今できることは明日の相撲を一生懸命するしかない。明日の相撲を取らずにあさっての相撲は取れない。前の日、負けてもそれは返ってこない。一生懸命、頑張りたい」と言葉に力を込めた。

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2020年11月21日のニュース