翔猿、106年ぶり新入幕優勝逃すも…見事!敢闘賞受賞「力士人生で一番楽しかった」

[ 2020年9月28日 05:30 ]

大相撲秋場所千秋楽 ( 2020年9月27日    両国国技館 )

土俵際に寄るも徳俵で耐えられ、反転して正代(右)に突き落とされる翔猿(撮影・久冨木 修)
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 手応えと悔しさを漂わせ、花道を引き揚げた。翔猿は右差しで出たが正代に残され、再度もろ差しで出ても残された。2度追い込みながら逆転負け。それでも、まわしにこだわらない取り口は鮮烈な印象を相撲ファンに植え付けた。

 「うれしさ半面、悔しさが大きい。前へは攻められたけど詰めが甘かった。自分の弱さが出た」

 優勝への意識はなかった。本割に勝って開けた、106年ぶり新入幕優勝への扉。正代は熊本農で国体優勝、東農大で学生横綱。対して翔猿も埼玉栄―日大と名門を歩んだが、高校で全日本体重別優勝、大学では全日本選手権16強が最高成績と、頂点は極められなかった。プロアマ通じての初顔合わせに、無心で臨んだ。

 「自分から前へ出て、受け身にならなかった」。勝てばの条件がついた技能賞こそ逃したが、新入幕場所の目標だった「2桁勝利」と「三賞」敢闘賞は手にした。

 取組前には初々しい“アクシデント”もあった。初体験の「三役そろい踏み」。西方は前に出る扇の要部分に番付下位の翔猿が立つはずだった。しかし、向かって後方右側に立つべき御嶽海が間違って前へ。さらに貴景勝も間違ったため、本来は最も格上の大関が入るべき後方左側でしこを踏んだ。「間違えていたのかも分からない」。それでも優勝争いで存在感を示し「力士人生で一番楽しかった。“たまたまだ”と言われないように稽古したい」とさらなる飛躍を誓った。

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