大坂なおみ4強 過去3戦全敗の相手に雪辱ストレート 2年前の「全米V記念日」に成長見せた

[ 2020年9月10日 05:30 ]

テニス全米オープン第9日 ( 2020年9月8日    ニューヨーク ビリー・ジーン・キング・ナショナル・テニスセンター )

全米オープン女子シングルス準々決勝で強烈なサーブを放つ大坂なおみ(AP)
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 女子シングルス準々決勝で世界ランキング9位の第4シード、大坂なおみ(22=日清食品)が、過去0勝3敗と苦手としてきた同93位のシェルビー・ロジャース(27=米国)に6―3、6―4で快勝した。試合時間1時間20分で、優勝した18年以来2年ぶりの4強入り。準決勝では同41位の第28シード、ジェニファー・ブレイディ(25=米国)と対戦する。

 9月8日は18年全米決勝で憧れのS・ウィリアムズ(米国)を破り、日本人として男女通じて初めてグランドスラムの頂点に立った特別な日。ちょうど2年後、同じセンターコートで4強入りを決めた大坂は小さくうなずき、笑顔を見せた。

 「彼女の方が優位と思っていたが、リベンジできて良かった。調子が良く、ずっとポジティブにプレーできた」。過去3戦全敗のロジャースに1時間20分でストレート勝ちだ。

 常に優位に試合を進めた。第1セットは第6ゲームで先にブレーク。第7ゲームでサービスゲームを失ったが、第8ゲームを奪い返した。第2セットも第3ゲームで先にブレークに成功。ブレークポイントを握られたのは1度だけで、自身のサービスゲームは10回中5回をラブゲームでキープ。第1サーブ成功率は47%だったが、安定感のあるショットでラリー戦を制した。

 特に目を引いたのが、技術的なミスを意味するアンフォースドエラーの少なさだ。相手の27に対し、8。ツアー中断前最後の試合だった2月の女子テニス国別対抗戦フェド杯スペイン戦では50本の凡ミスをし、世界78位に敗れた。外出自粛期間中に自身と向き合う時間が増え、精神的に成長。「ショットにミスはつきもの。それを受け入れる」と大坂はミスがミスを呼ぶ悪循環がなくなった秘訣(ひけつ)を明かした。

 前哨戦で痛めた左太腿には2回戦以降テーピングが施されているが「少し違和感があるので、悪化しないように」と深刻ではない。18年全米、19年全豪に続く4大大会3勝目まで、あと2勝。2年前の優勝を回想し「あの時は赤ちゃんのような感じだった。今は全ての面で良くなっている」と自信を見せた。

 19年全豪開幕前に自身の精神年齢を「3歳くらい」と分析し、優勝後は「5歳になれた」と笑ったが、当時の幼さはない。大人のなおみが、頂点をはっきり視界に捉えた。

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