【玉ノ井親方 視点】朝乃山、右手一本で安易に攻め急ぎすぎ

[ 2020年7月29日 05:30 ]

大相撲7月場所10日目 ( 2020年7月28日    両国国技館 )

朝乃山(左)を上手投げで破る御嶽海(撮影・西尾 大助)
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 優勝争いから一歩後退した朝乃山の敗因は、攻め急いでしまったことだろう。立ち合いからの攻防の後、右を差して、左上手を取りにいこうとしたが、逆に御嶽海に右を差され、うまく回り込まれてしまう。そこで一呼吸置くかと思ったが、そのまま攻めていった。だが、右手一本しか使えず、御嶽海に左上手を深く取られ、送り出されるように投げを打たれて残せなかった。

 相撲は流れが大事だ。攻めが止まると相手の重さを感じやすくなる。朝乃山にすれば、右を差したところで一気にかたをつけようという気持ちだったのだろう。しかし、右手一本で安易にいくと、ああいうことが起きる。勝負に出るのは、左でまわしを取ってからでも遅くはなかった。ただ、見方を変えれば相手がそれだけうまく取ったということ。尾を引く相撲内容ではない。気持ちを切り替え、終盤戦に臨めばチャンスはまだ十分ある。(元大関・栃東)

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2020年7月29日のニュース