照ノ富士 14場所ぶり幕内“日はまた昇る”3連勝!巨体千代丸転がし「体は動いている」

[ 2020年7月22日 05:30 ]

大相撲7月場所3日目 ( 2020年7月21日    両国国技館 )

3日目の幕内土俵入りで後援者から贈られた新たな化粧まわしをつける照ノ富士(撮影・西海健太郎)
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 14場所ぶりに幕内に戻ってきた元大関の照ノ富士は力強い相撲が続いている。千代丸を左からの上手投げで破り、初日から無傷の3連勝。両膝のケガなどで序二段まで番付を落としながら、輝きを取り戻してきた。横綱・白鵬、新大関の朝乃山は危なげなく勝ち、全勝は8人。カド番大関の貴景勝は隠岐の海に敗れて初黒星を喫した。

 元大関が復調すれば、幕内前半で対戦する相手との実力差は歴然だ。千代丸の突きで上体が起きかけたが、分厚いサポーターが巻かれた両足で踏ん張った。右四つに組み止めれば勝負あり。左上手を取ると190キロの相手を豪快に転がした。「体はちゃんと動いている感じ。押し切れなかったら四つにくる人なので、そこを狙っていこうと思っていた」と淡々と振り返った。

 23歳で大関に昇進したが、両膝の負傷に糖尿病や内臓疾患が重なり、17年秋場所で大関からの転落が決まった。懸命なリハビリと治療を続けたがなかなか回復せず、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱・旭富士)には何度も「やめさせてください」と伝えた。そのたびに、師匠からは病気を治すことを優先するように言われた。心は折れそうになっていたが、大関のプライドを捨てて再起。目の前の一番だけに集中し、序二段からわずか7場所で幕内に戻ってきた。

 幕内土俵入りでは、この日から太陽と富士山が描かれた化粧まわしをつけた。それはどんなに番付が落ちても応援してくれた後援者から贈られたものだった。「落ちた時でも応援してくれた人なので」。大関でなくなっても見放さなかった後援者のために「頑張っている姿を見せたい」という思いも原動力の一つになっている。

 幕内での初日からの3連勝は、大関だった17年春場所の5連勝以来、3年半ぶり。「精いっぱい、やれることをやっていきたい」。やんちゃなイメージだった大関時代とは違い、地獄を見てきた28歳は真摯(しんし)な土俵態度で完全復活へと向かっている。

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