パラ馬術強化選手が1年延期の東京大会についてコメント 吉越奏詞ら「前向きに」

[ 2020年6月8日 15:43 ]

東京パラリンピック出場を目指す吉越奏詞(2019年7月撮影)
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 日本障がい者乗馬協会は8日までに、新型コロナウイルスの影響で1年延期になった東京パラリンピックについて、20年度強化指定選手5人のコメントを発表した。東京大会では4つの開催国枠が割り当てられているが、代表選考は中断。これまでの成績の維持や今後の選考についても未定で、今月末の理事会で検討される見通し。

 選手のコメントは以下の通り。

 グレード1
 ▼鎮守美奈(46=明石乗馬協会/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)私にとって東京2020パラリンピック開催延期は青天のへきれきでした。天命と受け止め、私なりに現在健康でいられることや、競技活動を継続できることを周りの皆様に感謝してもう1年前進できるよう頑張りたいと思っております。

 グレード2
 ▼吉越奏詞(19=四街道グリーンヒル乗馬クラブ/日体大)東京2020パラリンピック開催延期は残念ですが、練習の時間が増え、実力が確実についてきている手ごたえを感じています。今後のことは不安を感じることもありますが、コーチや大学の関係者、協会の皆様など応援してくださる方々とともに、きっといい方向に向かっていると前向きに考えています。この困難を乗り越え、東京2020パラリンピックに出場し、目標とする成績を残したいです。
 ▼宮路満英(62=リファイン・エクイン・アカデミー/セールスフォース・ドットコム)行動制限もあり国内はもちろん海外の馬の騎乗練習もできなかった2カ月でした。非常事態宣言も解除され行動制限もなくなったらまずは国内で練習を始め、技術向上に努め、新型コロナウイルスの早期の終息を願い、またオランダで練習と海外での試合ができることを願っています。

 グレード3
 ▼稲葉将(25=静岡乗馬クラブ/シンプレクス)東京パラリンピックの1年延期が決定されましたが、練習時間が増えることで、さらにトップレベルの選手に近づくチャンスを頂けたと感じています。これまでと同様にメダル獲得という目標に向けてベストを尽くしていきたいと思います。世界でまん延している新型コロナウイルスが収束へ向かい、一刻も早く平穏な生活が送れる日が訪れることを心から願っております。

 グレード4
 ▼高嶋活士(27=ドレッサージュ・ステーブル・テルイ/コカ・コーラボトラーズジャパンベネフィット)東京パラリンピックの開催延期決定を受け、やることをやるだけだという気持ちを強く持ちました。練習時間が1年間できたとポジティブに考えています。新型コロナウイルスの終息を心から願っています。

 ▽パラ馬術 五輪の馬術は障害、馬場、総合の3つだが、パラリンピックでは決められた経路に沿って常足(なみあし)、速足(はやあし)、駈足(かけあし)の3種類の歩き方を基本に美しく馬を操る馬場馬術のみが行われる。種目は個人、団体(3人)、自由演技の3つ。男女の区別はなく、肢体不自由と視覚障がいの選手が対象となる。障がいに応じて5クラス(グレード1~5)に分けられており、数字が小さいほど重度になる。グレードによって演技に必要な歩き方の種類などが異なり、アリーナの広さは1~3は横20メートル×縦40メートル、4、5は横20メートル×縦60メートルとなる。

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