今平 3年連続賞金王へ“いばらの道”進む!過去7戦予選落ち海外メジャーも「やるなら出る」

[ 2020年5月16日 05:30 ]

自宅で食事する今平(本人提供)
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 国内男子ゴルフツアー2年連続賞金王の今平周吾(27=フリー)がスポニチ本紙の取材に応じ、史上4人目となる3年連続賞金王への思いを語った。コロナ禍で日本ツアーの試合数が減り、賞金王レースにおいて1試合ごとの比重が増す中、海外メジャー全3大会に出場することを明言。メジャーで好成績を収めなければタイトルが遠のく状況下、一度も予選を通過したことのない“鬼門”に背水の覚悟で臨む。

 依然として開幕が見通せない日本ツアー。コロナウイルス感染拡大の影響で1試合、また1試合と中止が決まっていく中でも、今平の覚悟は変わらない。

 「やるなら、出ます。(海外)メジャーも加算されるので、しっかり稼ぐことができれば(賞金王も)狙えると思うので」

 昨季、2年連続で日本ツアーの頂点に立った。今年は片山晋呉(04~06年)以来、史上4人目の3年連続賞金王が懸かる。スポット参戦の海外メジャーを優先すればその週はもちろん、移動や時差で前後の週の日本ツアーにも影響が出る。賞金王を最優先するなら、国内ツアー専念という選択もあったはず。

 「ハードな年になる?そうですね。メジャーに出ちゃうと、国内は出られないので。その分、外で稼いでこようってモチベーションになります」

 ここまで出場した海外メジャーでは7試合全てで予選落ち。獲得賞金の100%が日本ツアーにも加算されるメジャーで結果を残さなければ、賞金王レースに響くこととなる。背水の覚悟で“鬼門”突破を目指す。

 「予選を通過しないと何も始まらない。日本の感覚で振れるようになれば、普通にできると思う。何か違うことをやっていきたい」

 世界との差を埋めるには何が必要か、今も試行錯誤を続ける。昨季平均飛距離292・93ヤードは日本では28位だが、米ツアー上位勢は310ヤード前後をマークする。飛距離ではなく、ショットの精度に突破口を見いだす。

 「すぐに飛ばすことはできない。ショットの正確性。ドライバーの曲がり幅を狭めたり、そういうふうにしていく」

 そこまでして挑戦したい舞台。今平にとって海外メジャー、そして世界最高峰の米ツアーとは。

 「楽しいですね。雰囲気とか選手もそう」

 高校時代に2年間、米フロリダ州のIMGアカデミーに在籍した。米ツアーメンバーになることが、ゴルファーとしての目標だ。

 「(目標は)アメリカでシードを獲ることじゃないですか。メジャー優勝はちょっと目標が高すぎるので、いけるところから。早ければ早い方がいい。QT(予選会)を受けてもすぐに出られるわけじゃないので、なかなか難しいんですけど」

 そんな米国で日本人最多の5勝を挙げた松山英樹は今平にとって遠い存在。昨年11月のダンロップ・フェニックスで同組で回った際に、距離を縮めるきっかけができた。

 「僕から“海外に行った時に練習ラウンドをお願いします”って言ったんです。(今年1月の)ソニー・オープンではタイミングが合わなかったんですけど、“次回またやろうよ”って言ってくれました。メジャーとかで実現できたら。いろいろ教えてもらいたいし、楽しみです」

 現在は神奈川の自宅を拠点にトレーニングや練習を行う。今年は東京五輪へ向けても勝負の一年となる。

 「五輪の延期は残念ですけど、また新たなモチベーションができた。去年は体重を増やして飛距離を出そうと思ったんですけど、体の回りが気になってきた。今は単に筋肉をつけるわけじゃなく、体幹や肩甲骨の可動域を広げるトレーニングを始めました。この前ラウンドした時には良い感じで。手応えはあるかな、と思います」

 ≪国内7戦連続中止…米は6・11に再開≫新型コロナウイルスの感染拡大の影響で日米の男子ツアーも中止が相次ぐ。日本は国内開幕戦から7戦連続で中止。7月2~4日に予定された日本プロ選手権も当該週の開催が見送られた。一方、3月中旬から中断中の米ツアーは6月11日開幕のチャールズシュワブ・チャレンジからの再開を発表。7月の全英オープンは中止となったが、全米プロ選手権は8月、全米オープンは9月、マスターズは11月に延期された。

 ▽米ツアーのシード権 大会の優勝者にはメジャー大会は5年などのシード権が与えられる。優勝以外でシードを獲得するには正式メンバーとなり、フェデックス・カップ・ポイント・ランキングで上位125位以内に入る必要がある。松山は13年全英オープン6位など同125位相当となり正式メンバー入り。米ツアー初優勝した14年に同28位でシード権を手にした。また、下部ツアーで賞金ランク25位に入れば米ツアー昇格となるがシード獲得にはさらに1年、結果を出す必要がある。日本人では青木功が初。81年に正式メンバーとなり、82年に賞金ランク68位でシード入り。83年ハワイアン・オープンで米ツアー日本人初優勝を飾った。

 ◆今平 周吾(いまひら・しゅうご)1992年(平4)10月2日生まれ、埼玉県入間市出身の27歳。8歳でゴルフを始め、06年の関東ジュニアでは1学年上の石川遼を1打上回り、08年日本ジュニアでも1歳上の松山英樹を抑え優勝。埼玉栄高中退後に米国へゴルフ留学。14年下部ツアーで2勝を挙げ賞金王。16年賞金ランク10位、17年同6位、18、19年は2年連続賞金王に輝いた。1メートル65、66キロ。

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