どうなる柔道五輪代表 一二三、丸山のラスト1枠争い 時期も方式も継続審議「場合によっては来年」

[ 2020年5月16日 05:30 ]

東京五輪柔道の男子66キロ級代表の座を争う阿部(右)と丸山
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 全日本柔道連盟(全柔連)は15日、オンラインでの強化委員会と常務理事会を開き、1年延期となった東京五輪の代表について、内定している男女計13選手の権利を維持する方針を固めた。一方、丸山城志郎(26=ミキハウス)と阿部一二三(22=パーク24)が激しく争う男子66キロ級は、選考方法の最終決定に至らず。今後は新型コロナウイルスの推移を見守りつつ、強化委員会で継続審議されることになった。

 常務理事会後、オンライン会見に臨んだ中里壮也専務理事は「内定していない男子66キロ級は別途選考会を行う。場合によっては来年(4月)の全日本選抜体重別選手権まで延びてしまうこともあるが、切り離すこともある」と述べた。新型コロナウイルスの影響による緊急事態宣言は39県で解除されたが、現状、大会再開のめどは立たず。両雄は先行きの見えない戦いを強いられることになった。

 想定される選考会は(1)延期された今年の選抜体重別、(2)来年4月の選抜体重別、(3)丸山VS阿部のワンマッチ決定戦の3つ。中里氏は「最低3カ月は準備期間がないと、きちんとした選考試合にならない」としており、早くても今年9月以降の開催となる見込みだ。

 ただし現状で開催時期のめどは立たない。14日に日本スポーツ協会が発表した「スポーツイベントの再開に向けた感染拡大予防ガイドライン」では多岐にわたる条件があり、体と体がぶつかるコンタクトスポーツでもある柔道大会には高いハードルが立ちはだかる。

 7月31日まで課外活動が禁止されている母校の天理大が練習拠点の丸山、全国で最も感染者数が多い東京が拠点の阿部とも、練習再開は見通せないまま。諸条件を勘案すれば決着は来年に持ち越しとなる可能性が高い。

 この日の2会議でも選考会については「何の言及もなかった。準備期間を与えてほしいという意見はあった」と中里氏。連盟トップも逡巡(しゅんじゅん)せざるを得ない状況の中、たった1枠を懸けた最高峰の戦いは、精神的な持久戦の様相を呈してきた。

 ▼金野潤強化委員長(代表権維持の)一番の決め手は、現場の監督、コーチが現内定選手で戦う自信を持っていることだった。

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2020年5月16日のニュース