“3密”そろう相撲部屋 一気にクラスター化する恐れも…

[ 2020年4月11日 05:30 ]

力士がコロナ…角界初、夏場所中止も

一般的な相撲部屋のイメージ
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 日本相撲協会に相撲部屋は現在45部屋あり、約900人の協会員が所属。師匠を中心に力士や行司、呼び出し、床山といった弟子たちが一つ屋根の下で共同生活を送っている。両国国技館がある東京都墨田区の住宅街に集中立地しているが、千葉県や埼玉県に部屋を構えるケースもある。

 年齢や経験に関係なく、幕下以下の若い衆は大部屋で生活をし、十両以上の関取になると個室が与えられ、結婚すれば部屋を出て家族と暮らす。各部屋で在籍数は異なり人数が多ければ大部屋で1人に与えられるスペースは狭くなる。それが畳一畳ほどという部屋も少なくない。十分換気ができる環境であればいいが、若い衆は常に同じ“密集”空間で日々を送っている。

 若い衆は相撲部屋の2階などで生活を送り1階の稽古場では毎朝同じ時間に体と体をぶつけ合い汗を流す。ちゃんこは関取衆から順に食べ始め、その間、若い衆は給仕をしなければならない。ちゃんこ番も幕下以下の力士らが複数で務めることが多く、食事のタイミングに時間差はあるものの、ちゃんこ場が間近で会話する“密接場面”となっている可能性も考えられる。

 風呂もトイレも共同。心技体を鍛える上で、必要とされてきた相撲界の共同生活だが、このスタイルは感染拡大防止のために避けるべき「密閉・密集・密接」という“3密”の最たる例でもある。その中から発覚した力士初の新型コロナウイルス感染症の陽性反応。やはり、一人でも感染者が出れば一気に部屋自体がクラスター化する可能性も高まる。

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2020年4月11日のニュース