ゴルフシニア開幕戦通常開催へ 何らかの重大発表があればすぐ中止 倉本会長「批判は甘んじて受ける」

[ 2020年3月30日 20:38 ]

倉本昌弘PGA会長
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 日本プロゴルフ協会(PGA)は30日、都内で社員総会、理事会を開いた。

 理事会で4期目の再選を承認された倉本昌弘会長は会見を開き、シニアツアー開幕戦の金秀シニア沖縄オープン(4月10、11日、かねひで喜瀬CC)を通常通り、観客を入れた形で開催する方針を明らかにした。

 ゴルフトーナメントは国内外で中止や延期が相次いでいる。ただ倉本会長は「(冠スポンサーの)金秀さんも開催したいという意向だった。玉城知事も沖縄で3人しか感染者がいない段階では“ぜひぜひやってほしい”ということだった。われわれとしても、少しでも選手に働く場を与えたいという思いがあった」と決断の理由を説明した。

 ただ、開催方針はあくまでも現段階でという条件付きだ。

 「小池東京都知事や安倍首相、政府から今後何らかの(重大な)発表があった場合は中止する」と状況に応じ柔軟に対応する姿勢を示した。

 今週末(4月3日)をめどに最終判断を下すが、「試合当日の朝になって状況が変わっていれば、当日に中止を決断することもある」と付け加えた。

 大会は通常通りプロアマ戦も実施し、観客の入場も認める。しかし、プロアマ戦の表彰式は行わず、パーティーも自粛。ロッカーや風呂場の使用も禁止する。また、選手の直近2週間の渡航歴や体調不良の有無を確認し、問題がある場合は出場自粛を促す。さらに選手全員に体温計を渡し、朝晩2度の検温を求める。37・5度以上の熱が2日以上続けば出場は認めない。ギャラリーと選手の接触も禁止する。

 「(試合会場の)名護市では感染者は1人もいない。そういうことを考えるとむしろわれわれの方が(各地から沖縄に集まって感染させてしまう可能性があり)危ないのかなと思う。選手の握手、物の手渡し、ハイタッチ等々のギャラリーとの接触はなくす」と考えを明かした。

 また、倉本会長は「ギャラリーの数は昨年が500~1000人くらい。平日開催なので(レギュラーツアーと比べれば)ほとんどいらっしゃらないのが現状。入場口は1カ所にし、選手と同じような状態で検温する。住所、連絡先も書いてもらい、何かあった場合でも連絡できる状態にする。それから手洗い、うがいの徹底をお願いし、そういう場所を設ける」と安全、健康対策を説明した。さらに「(観戦)ホールの制限もやっていかなければいけないと思っている。500人くらいであれば濃厚接触にはならない状況だろうと考えている」と話した。

 それでも大きなイベントの開催自粛が続く中での通常開催となり、批判的な声が上がる可能性もある。また、問題が起きた場合には関係者が大きなダメージを受けることも十分予想される。

 「(開催方針ということで)批判は受けると思います。最大限の努力をし、それでも、何かあれば批判は甘んじて受けることになろうかと思います。私たちは主催者が批判を受けるような形をできるだけとりたくない。選手が批判を受ける形をできるだけとりたくない。最終的にわれわれが批判を受けるべきだと思う。われわれは最大限の努力をする。そして、それをお伝えする。それでも(開催について)批判を受けるのは仕方がないと思っています」と話した。

 ただ、ギャラリーや選手、関係者を危険にさらしてまで開催する考えは全くない。倉本会長は「(試合を)やる、またはどこかでやめる、という最終判断はしっかりとやらなければならないと思う」と状況の推移を注視していく考えを示した。

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2020年3月30日のニュース