先場所幕尻優勝の徳勝龍 自己最高位・西前頭2枚目へジャンプ「常に上を目指すと決めた」

[ 2020年2月25日 05:30 ]

大相撲春場所 新番付発表

番付表で自分の名前を指さす徳勝龍 (撮影・平嶋 理子)                                               
Photo By スポニチ

 日本相撲協会は24日、大相撲春場所(3月8日初日、エディオンリーナ大阪)の新番付を発表し、西前頭17枚目の幕尻だった初場所で初優勝した徳勝龍(33=木瀬部屋)は西前頭2枚目まで番付を上げ、約5年ぶりに自己最高位を更新した。準ご当所の今場所は上位総当たりが確実。真価を問われるベテランは大阪府吹田市の宿舎で会見し「上を目指す」と奮闘を誓い、来月20日に開幕を迎えるプロ野球阪神にもエールを送る。

  思わず頬が緩む。会見に臨んだ徳勝龍は、これまで自己最高位だった15年夏場所の西前頭4枚目を約5年ぶりに更新する西前頭2枚目まで番付を上げた。先場所から一気に15枚のジャンプアップ。その新しい番付表を手に取り「(優勝を実感するのは)こういうところです」と漏らした。

 三役経験がなく、今年初場所で優勝するまで三賞受賞歴もなし。18、19年の2年間は昨年夏場所を除く11場所で十両暮らし。「このまま十両で終わるのかなという気持ちもあったけど、優勝できて少し自信になった」。21日の大阪入り後も近大時代の恩師である伊東勝人監督のお別れの会や近大相撲道場で後輩との合同稽古、地元の奈良県でパレードなど多忙だった。この番付発表からモードを切り替える。

 「常に上を目指すと自分で決めた。できることをやって番付を上げる。(優勝の)余韻に浸ることなく、次のことをしっかり考えていきたい。稽古して大阪場所へ準備したい」

 西前頭2枚目の今場所は横綱、大関の上位陣と総当たりとなるのは確実。横綱と対戦すれば15年夏場所以来となる。「5年前は結びで取れるだけで満足した部分があった。自分から攻めないと勝てない。自分の形でしっかり攻めたい」と初金星を狙う。

 本場所に集中するため、熱烈な虎党としての“野望”を断腸の思いで一時封印する。初優勝から一夜明けた先月27日に阪神の始球式に捕手として登場することを熱望。球団から3月4日の広島とのオープン戦(13時・甲子園)登場を打診された。ただ、朝稽古を最優先し、今回は断念するもよう。プロ野球が開幕する来月20日は春場所終盤にあたる。見る者を奮い立たせる相撲内容で愛してやまない阪神へ土俵上から勢いを届ける。

 ○…徳勝龍は予想外の方面からエールを受けている!?23日に60歳の誕生日を迎えられた天皇陛下が赤坂御所での会見で「もう還暦ではなく、まだ還暦という思い」と述べられた。徳勝龍の初場所優勝インタビューと重なる部分があると一部で話題になり「僕じゃないと思うけど…。ホントに?(もしそうなら)光栄です」と恐縮しきり。「若い方が馬力もあって元気な相撲を取れていたと思う。でも“まだ33歳”と言ったように、今もそんな気持ち。年齢は気にしない」と気合をみなぎらせた。

続きを表示

2020年2月25日のニュース