羽生、SP歴代世界最高111・82点!圧倒的首位発進で“スーパースラム”に大きく前進
フィギュアスケート 四大陸選手権第2日 ( 2020年2月7日 韓国・ソウル )
男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(25=ANA)は自身が持つ世界最高得点を更新する111・82点で首位発進した。今大会から演目を変更した平昌五輪の伝説プログラム「バラード第1番」を完璧に滑り切り、四大陸のタイトルとジュニア、シニアの主要国際大会を総なめにする“スーパースラム”に大きく前進した。8日は女子フリーが行われる。
これが羽生結弦だ。緑をあしらった新衣装でフィニッシュポーズを決めると、凜(りん)とした表情で大歓声を受け止める。「これまでのバラード第1番の中で本当に一番よかったんじゃないかな」。5度、手を叩きながら喜びをかみしめ、降り注いだプーさんシャワーを集めるフラワーガールを手伝う気遣いも見せた。
18年11月のGPロシア杯、「秋によせて」でマークした自身の世界最高110・53点を1・29点も更新。2位の金博洋と15・99点の大差をつけた。この演目でルール改正前には、自らの世界記録を3度更新。平昌五輪でも力強く舞い、五輪連覇の偉業へつなげた。自らが歩んだ歴史の一部でもある「バラード第1番」について羽生は独特の表現で語る。
「自分の中ではワインとかチーズみたいなもの。滑れば滑るほど、時間をかければかけるほど熟成されていって、いろんな深みが出るプログラム。それがとても自分らしいというか、心から曲に乗せてジャンプしたりステップしたりできる一番の理由」
音楽とスケートの融合。厳かな曲調にジャンプと表現力で、深みと強弱をつけた。冒頭の4回転サルコーを完璧に決め、出来栄え評価(GOE)で4・43点を引き出した。曲のリズムに合わせ、平昌五輪から順番を入れ替えたトーループの4回転―3回転、トリプルアクセルも美しい軌道で成功。レベル4でそろえたスピン、ステップの細部にも羽生の思いが宿った。「何の雑音もなく滑り切れた」と言い、「音と跳べるフォームが一緒に記憶されている」と笑った。
昨年12月の全日本選手権後、身も心もボロボロだった羽生は考えた。「フィギュアスケートって何だろう」。平昌五輪後、憧れのジョニー・ウィアー氏やエフゲニー・プルシェンコ氏へのオマージュ曲で表現の幅を広げ、難度の高いジャンプにも果敢に挑戦した。1シーズン半、悩み、苦しみ抜いて、たどり着いた新境地。他人ではなく、羽生が羽生を舞った。「やっぱり自分って思える。やっと、自分にストンって戻ってきた感じ」。アスリートであり、表現者でもある王者こそ出せる勇気ある決断だった。
名曲の調べに身を委ねた2分40秒。「曲を感じることをしながらも、凄く質の高いジャンプを跳べたのは、このプログラムならでは」。その旋律は、何度でも羽生をよみがえらせる。
《こちらも伝説の「SEIMEI」》 羽生は9日にフリーで24選手中22番目、午後3時に登場する。プログラムは昨年末のアイスショー「メダリスト・オン・アイス」で演じ「ものすごく自分らしくいられる」と感じた「SEIMEI」だ。平昌五輪フリーで戴冠した黄金プログラム。「フリーは(SPとは)違ったストーリーのプログラムなので、また違ったフィギュアスケートをできたらいいな」と4分間の演技を見据えた。
《過去シーズンの「バラード第1番」》
★14~15年 SP曲に初採用。中国杯で中国選手と正面衝突して負傷した影響もあり、序盤こそスコアを伸ばせなかった。それでも、GPファイナル、世界選手権、世界国別対抗戦でシーズンベストを挙げ、完成度を高めていった。
★15~16年 先シーズンから持ち越し、自身の世界記録を2度更新。GP・NHK杯、GPファイナルと2戦連続で「SEIMEI」でのフリー、合計点とも全ての世界記録を塗り替えた。世界選手権は準優勝だったが、SPでは世界記録に肉薄する好スコア。
★17~18年 五輪シーズンのため2季ぶりに戻し、初戦のオータム・クラシックでいきなり自身が持つ当時の世界最高得点を更新。右足首の負傷で118日ぶりの実戦となった平昌五輪では、自身の世界記録に迫る好演技で五輪連覇へ弾みをつけた。
▽スーパースラム シニアの五輪、世界選手権、GPファイナル、大陸選手権(四大陸選手権または欧州選手権)、ジュニアの世界選手権、GPファイナルの合計6冠を完全制覇した際の呼称。女子では韓国の金妍児(キムヨナ)とアリーナ・ザギトワ(ロシア)が達成している。羽生が四大陸選手権で初優勝すれば男子初の快挙になる。
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