御所実、史上最少失点で悲願初Vへ 押させて構築“黒い壁”4戦わずか10失点

[ 2020年1月6日 05:30 ]

第99回全国高校ラグビー 第6日   御所実26―7常翔学園 ( 2020年1月5日    東大阪市・花園ラグビー場 )

後半、鉄壁の防御で常翔学園・吉本の突破を許さない御所実・石岡(撮影・大森 寛明)
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 準優勝3回のAシード御所実(奈良)がBシード常翔学園(大阪第2)から4トライを奪って26―7で勝ち、初優勝に王手をかけた。攻撃自慢の伝統校を、1人で3つの仕事をこなす守備で封じた。4試合でわずか10失点の鉄壁ディフェンスを誇る“黒い壁”は、初の単独優勝を狙うAシード桐蔭学園(神奈川)と7日の決勝戦でぶつかる。くしくも平成最初の大会を制したのは天理。同じ奈良県勢が令和最初の王者を目指す。

 御所実の堅守は、“弱者”の視点が出発点になっている。常翔学園よりもFW平均身長が3・6センチ小さく、体重は3・9キロ軽い。FB石岡は「体が小さい分、組織で守らないと勝てない」とチームに根付く精神を口にした。前半7分、その組織力が光った。

 突破を図った相手CTBが中央ライン付近で孤立したところを4人がかりで奪い返し、すぐに右へ展開。素早いパス回しでゴール前に押し寄せ、同8分にフランカー長船が先制トライを挙げた。

 風上の前半に3トライを挙げて主導権を握る一方、強いFWを持つ常翔学園に対し、終始、数的不利をつくらなかった。竹田寛行監督(59)が守備の約束事を明かした。

 「体が小さいのでトリプルアクション、1人で2つ3つと仕事をしないと、きょうのゲームは成り立たない」

 (1)タックルし、(2)すぐに起き上がって、(3)サポートやジャッカル(タックル後に素早く相手に絡む)に入る。どこもやりたいはずの「トリプルアクション」を徹底できるのは、「できなかったら、なぜできないかを追求する。練習の質です」と、石岡が説明する日頃の姿勢のたまものだった。

 小さいからこその戦術は、スクラムにも表れた。自信を持つ常翔にマイボールで何度も押されたが、プロップ津村は「うちは強くない。崩れると反則になる。だから押されるようにした」と、意図的だと種明かしをした。

 前日は、押されてもキープする練習を繰り返した。ラグビー憲章では、「あらゆる局面で争奪すること」を基本精神に掲げるものの、高校はスクラムを1・5メートルしか押せない決まりがある。ルールにのっとったプレーの選択と集中ができていた。

 1年生SO仲間のパス先を読み、相手バックスに仕事をさせなかった守りも秀逸。今大会初トライを許したとはいえ、4試合でわずか10失点で決勝へ進む。1トライが5点になった92年度以降、最少失点優勝は、09年度の東福岡の24。初優勝だけでなく、記録的鉄壁Vにも王手をかけた。

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