炎鵬 軽快に“最重量199キロ”碧山撃破 「一番怖かった」パワー勝負回避

[ 2019年11月15日 05:30 ]

大相撲九州場所5日目 ( 2019年11月14日    福岡国際センター )

炎鵬はひきおとしで碧山を破る
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 最小兵の炎鵬が巨漢・碧山を下して1敗を守った。白鵬は妙義龍を難なく退けて1敗をキープ。カド番の大関・高安は明生に敗れ3敗目。大関復帰の貴景勝は宝富士に突き落とされて2敗目を喫した。5日目で全勝がいなくなるのは01年秋場所以来。上位勢が安定せず、7人が1敗で並ぶ大混戦の様相を呈してきた。

 歓喜はいつも以上に大きかった。碧山との101キロ差対決を制した炎鵬の鼻から、激闘を物語る鮮血が流れ出る。「今日は一番怖かった。巡業中から当たるとイメージしたが、昨夜もどうしようかギリギリまで悩んだ」。戦前は恐怖心でいっぱいだったが、いざ勝負となれば相撲IDはフル回転。小兵の前に巨漢がバタリと落ちた。

 初顔合わせで、仕切りの時から「のみ込まれるかと思った」という。1メートル68、98キロの炎鵬に対して、1メートル91の碧山は幕内で休場中の逸ノ城(224キロ)を除いて最も重い199キロ。立ち合い直後に突きを食らい感覚が飛んだ。強烈な右の張り手に踏ん張ると、懐に潜られるのを警戒する相手が見えた。「腰が引けて嫌がっている。外から崩していくしかない」。真っ向から手を出し続けて勝利を呼ぶ。大男を倒して「(突きが)蹴られている感じ」と振り返った。

 先場所中に右頬を骨折。場所後も治りきらず、患部のあざも消えないまま巡業に参加した。神経系にも影響があったため、土俵上での稽古は回避。土俵下で基礎運動を繰り返しながら、常に目線は土俵を向いていた。今場所、初顔合わせとなる対戦相手を研究。それが自己最高位で好結果につながっている。

 パワーでは勝てない分、勝負勘、柔軟性、スピードで勝負。特に意識しているのが可動域で、「そこは生命線」と認める。それだけに、ストレッチとケアは欠かさない。休場が相次ぐ中、三役以上と対戦する可能性も浮上し「できるとなればそんなチャンスはない。経験だと思ってやれたら」と意欲。ファンを味方にする炎鵬劇場。大混戦で主役に躍り出るチャンスは十分にある。 

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2019年11月15日のニュース