【荒磯親方 真眼】明生、稽古した人間にしか分からない相撲

[ 2019年9月19日 08:30 ]

大相撲秋場所11日目 ( 2019年9月18日    両国国技館 )

石浦(右)を寄り切る明生(撮影・郡司 修)
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 明生は石浦に左をおっつけられました。体格差のある力士には、私も左を殺されることがありました。そこで頭を下げたり、距離を取ったり、いなしたりしがちですが、明生は差しにいきながら我慢して、おなかを出して右をおっつけにいきました。うるさい相手にはああいう攻め方が有効です。稽古がしっかりできていて、丹田(へその下の辺り)の力が出来上がっているから、腹を出しながら差しながら腰が下りていくのです。いわゆる基本のような相撲ではないのですが、稽古をした人間にしか分からない相撲です。

 貴景勝とともに2敗で優勝争いのトップに並んでいますが、上位の経験もほとんどないので意識しなくていいでしょう。決めたことをやり続けるというのが明生の魅力です。欲を持ってやる必要はありません。稽古場でやってきたことしかできないので、稽古場でやってきたことを生かしてほしいと思います。(元横綱・稀勢の里)

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