羽生結弦と一問一答 「ノーミスしたかった」「スケート奥深い」

[ 2019年9月14日 05:39 ]

フィギュアスケート オータム・クラシック第2日 ( 2019年9月13日    カナダ・オークビル )

<オータムクラシック第2日・男子SP>SPの演技をする羽生結弦(撮影・小海途 良幹)
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男子ショートプログラム(SP)が行われ、14年ソチ、18年平昌五輪連覇の羽生結弦(24=ANA)が98・38点で首位発進した。胸元を締め、光沢感の増した新衣装で、昨季から持ち越したSP曲「秋によせて」を舞った。冒頭の4回転サルコーで転倒したが、後半の3回転半ジャンプ(トリプルアクセル)、4回転―3回転の連続トーループはクリーンに決めた。ジャンプ、スピンは全て最高のレベル4でそろえた。羽生との一問一答は以下の通り。

 ――冒頭のサルコーは?
 「世界選手権の失敗をちょっと引きずっているかなと思うので。気合も入っていたんですけど、ちょっと考えないとな、とは思います」

 ――考えすぎた?
 「まあ、考えすぎました感じです」

 ――初戦の緊張、慎重に入ったのか。
 「その感じはなかったと思いますね。初戦だからという感じではなくて、単純に調整不足でもなく。パリの散歩道の時も1回あったんですけど、トーループが跳べなくなって、なかなか決まらない時期が2戦くらい続いた時があったんですけど。その感じにちょっと似ているなと思っているんで。やっぱりうまく経験を使わないとなと思っています」

 ――公式練習の感じは悪くなかった?
 「全体的に最近、悪くないですし、練習も積めているので、あまり不安はないんですけど、結果がこれなので、もっとやるべきことがあったのかなと今、思います」

 ――演技直前はどんなことを考えていた。
 「割と冷静でした。トーループがうまくいつもの軌道ではまらなかったので、ちょっと軌道を変えたりしたんですけど、それは実際うまくはまっていたと思いますし。サルコーに関してはその直前までずっといい感じで、形はよかったと思うので、それをイメージトレーニングしながらやってもいた。まあ、全体的に感触は悪くはなかったかなと思っています」

 ――サルコーを跳んだ瞬間は。
 「あっもう、なんかサルコー入る前にはダメでした。あっ違うなと思って。まあ、しょうがないですね。ミスはミスなんで」

 ――いつもよりコースが直線的に入ったか?
 「それもあるかなと思います。なるべく、うまく真っすぐ乗りたいみたいな感じに慎重にはなったんで。それはあったかなと思うんですけど、やっぱりジスランと話していて、“ちょっと世界選手権、引きずっているよね”という感じは言われました」

 ――残りの演技は。
 「ちょっとやっぱりミスしたことによって、焦ってはいたんですけど。あの後から凄い切り替えもうまくいってたと思いますし。特にアクセルに関しては、久しぶりにツイズルからアクセルを跳んで、ツイズルに戻すというものにまた変更して。GOEのポイントがちょっとちゃんと見られてないのでわかんないですけど、自分としては本当に満足のいくアクセルが初めて試合の中でこの入りで跳べたので、そこが凄くよかったなと思っています」

 ――同じプログラムで2シーズン目。ジャンプのレベルを上げる計画は。
 「まあ、いくらでもできるので、それはやってますし、練習も。ただ、今回は…。今回どうなんですかね。ちょっといろいろ考えながらフリーもやりたいなと思っています」

 ――転倒なければ106点くらい?
 「うーん。まあ、そうですね。でも、とりあえずノーミスすることが一番、大事だと思っているので。まずはノーミスしたかったなという気持ちがあります」

 ――オータムに苦手意識が。
 「スケカナもあるんで、また。そろそろ、スケートカナダでいい出来がしたいなという感じもある」

 ――まだ優勝していない。
 「本当に、もう24、25(歳)のシーズンですけど、シニア10年近くなるんで。いい加減、ショートで失敗するの止めなよって思ってるんですけど。でも、こういう感じになると、やっぱスケート奥深いなっていうか。アスリートとしての気持ちの持ちようとか年々違ってくるので、それが凄い楽しいなと思いながらやってます」

 ――昨日の話だと、だいぶ熟成しているようにも。
 「まあ、きょうはよかったと思うんですけど、やっぱりちょっと、前のインタビューで言わせていただいていたんですけど。世界選手権からこのシーズンが始まっていると思っているので、そういう意味でも、世界選手権と自分との距離感がちょっと近過ぎたゆえの無駄な力みもあったのかなとは思います。でも、トートーとアクセルが凄いよかったので、それは満足しています」

 ――足は大丈夫か
 「はい、全然大丈夫です」

 ――サルコー入る前に世界選手権のことがよぎる感じなのか。
 「よぎるっていうか、無駄に意識するんですよね。考えすぎるっていうか、なんて言えばいいんですかね。感覚の問題なんで言葉にするのがちょっと難しいんですけど。この時、こういうミスをしたなって一瞬よぎっちゃうんですかね。考えちゃうんですかね。理論を。理論で凄い固めちゃうタイプなんで。それがもっと感覚的に跳べていたジャンプだったからこそ、今回はちょっと理論に引っ張られすぎちゃったかなという感じ。でも、トーループの場合は逆に今回は感覚がよくなくて、理論で固めたから理論でそのまま跳べるんだけど、サルコーの場合は感覚でいきすぎていて、理論に入っていっちゃった瞬間に固まっちゃったという感じですかね。(質問に)ありがとうございます。分析ができた」

 ――細かいズレに気がついた。
 「そうですね。あー、みたいな感じになった。しょうがないです」

 ――フリーはどんな演技を。
 「毎回、ノーミスは目指してるんですけど。でも、やっぱりいつもの初戦とは違って、自分の中で完成形が見えている状態で挑んでいる試合なので、やっぱりノーミスできないと凄い悔しいなという気持ちが強くあります。なので、その完成形、練習で作ってきた完成形をこの本番の舞台でしっかりと出し切れるように、それ以上のものがまず出し切れるようにということを意識しながら、この試合のフリーに臨みたいなと思います」

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