双子力士の十両・貴ノ富士 3度目の正直で勝ち越し「いい意味で優勝争いも意識しています」

[ 2019年7月17日 16:36 ]

大相撲名古屋場所11日目 ( 2019年7月17日    ドルフィンズアリーナ )

<大相撲名古屋場所11日目>水戸龍(左)を寄り切りで破った貴ノ富士(撮影・坂田 高浩)
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 双子力士の十両・貴ノ富士(22=千賀ノ浦部屋)が水戸龍を寄り切りで下し、3度目の十両場所で初めての勝ち越しを決めた。

 「いろんな面で成長できたと思います。今場所は途中から自分を信じて前に出るようにしたのが良かった」

 1メートル88、200キロの巨漢に真っ直ぐ当たって出足を止めると、すぐに右を差す。巻き替えられて左四つになり投げを打たれたが、つかんだ右まわしを離さない。相手がバランスを崩したところを見逃さず、体を密着させて寄り切った。

 「体力では負けるのでスタミナで食らい付いていって、長い相撲になっても諦めないでいこうと思っていました」

 1年ぶりの十両復帰となった春場所は6勝9敗と負け越し幕下に陥落。雪辱を期して迎えた先場所、7戦全勝で幕下優勝を飾り十両に復帰した。今場所は序盤で2敗を喫したものの、そこから4連勝と巻き返した。

 きっかけは締め込みの締め方を変えたことだった。幕下は木綿の黒まわしで取るが、関取は絹の締め込みで土俵に上がる。本人によれば今場所使用している緑の締め込みは、普通のものより厚みがあり、股関節の動きが制限される感じがあった。そのため取組のときに「はたかれると(簡単に)落ちてしまう」という恐怖心が芽生え、なかなか前に出られなかった。そこで兄弟子で付け人の幕下・舛東欧と閉め方を工夫。兄弟子のアドバイスで巻き方を少しずらしたところフィットするようになったという。

 「動きやすい閉め方が分かったので、後は自分を信じて前に出るようにしました」

 大きな目標も見えてきた。十両の優勝争いは2敗の剣翔がトップを走るが、貴ノ富士も1差で2位グループにつけている。「(場所の)最初は(幕)下に落ちない星数とかを考えていましたが、途中からは優勝争いもいい意味で意識するようになりました。そういう面では、自分が気付かない間に成長しているのかなと思います」と前を見据えていた。

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2019年7月17日のニュース