五十嵐 サーフィン最高峰ツアー日本人初V、五輪金いける

[ 2019年5月26日 05:30 ]

ワールド・サーフ・リーグ チャンピオンシップツアー第3戦コロナ・バリ・プロテクテッド最終日 ( 2019年5月25日    インドネシア・バリ島 )

五十嵐カノア
Photo By 共同

 日本初の快挙だ!日本人として唯一、ワールド・サーフ・リーグ(WSL)最高峰のチャンピオンシップツアー(CT)に参戦する五十嵐カノア(21)が、決勝でフランス人選手を破り、CT参戦4年目で初優勝を果たした。これまでの最高成績は16年最終戦の2位でCT通算36戦目で初の快挙となった。年間ランキングでも10位から2位へとジャンプアップ。来年に迫った東京五輪での金メダル獲得も現実味を帯びてきた。

 待ち望んだ歓喜の瞬間が、ついにやって来た。35分間の決勝の終わりを告げるブザーが響き渡ると、五十嵐は相棒とも言えるサーフボードをハイタッチするように平手打ちした。喜び方も、その大きさも全てが未体験。WSLの公式インタビューに「言葉にできない。クレージーだ。一生の思い出に残る」と英語で思いを表現した。

 ハイライトは9・10点を叩き出した、開始12分すぎの2本目のライディングだ。最初のターンで波の頂上から大きなエアーを見せると、2つ目のターンでは体を後ろへ大きく倒す高難度の「レイバック」で審判の目を引き付けた。セカンドベストは5本目の6・00点で、結果的に相手のフローレスとの得点差は0・47点。35分間でわずか5本しか乗れなかった中、接戦を制し「決勝は全てが思い通りになった」と話した。

 準決勝では年間王者過去11度を誇るレジェンド、ケリー・スレーター(米国)も退け、「今週は全てがうまくいった。全てのヒートに意味があった」と振り返る。今季はまだ8戦を残すとはいえ、年間ランキング2位も自己記録を更新。上位10選手(各国の3番手以下を除く)に与えられる五輪出場権獲得に大きく前進した。初めてサーフィンが行われる東京五輪で、日本を背負う可能性はより現実的となった。

 「全てのハードワーク、早朝の一人のジムワーク、一人のサーフィン練習、誰も見ていないところでの努力。今、全てが意味をなした」と五十嵐。金髪頭には優勝者に贈られるバリ伝統の王冠。1年2カ月後の夢舞台では、もっともっと光り輝くものを手に入れる。

 ◆五十嵐 カノア(いがらし・かのあ)1997年(平9)10月1日生まれ、米カリフォルニア州出身の21歳。父・勉さん、母・美佐子さんの日本人両親の元で3歳からサーフィンを始め、12歳の時に全米アマチュア連盟主催試合で30勝を挙げて最多優勝記録を更新。13歳でプロ転向し、16年からCTツアーに参戦中。これまでの年間最高順位は18年の10位。1メートル80、75キロ。スタンスはレギュラー(左足前)。名前のカノアはハワイ語で「自由」の意味。18年度から日本連盟の強化選手に指定された。

 ▼日本サーフィン連盟酒井厚志理事長 日本人としてCT初優勝は、歴史に残る快挙だ。9月のワールドゲームズ(世界選手権に相当)に向けても弾みがつく。日本の次世代の選手にとっても、励みになったと思う。

 ▽東京五輪への道 出場枠は男女とも各20人で、1カ国あたり最大各2人。男子の場合は、今年のCT上位10人が出場資格を獲得。残る10枠は(1)20年のワールドゲームズ(WG)上位4人(2)19年のWGのアメリカ大陸を除く4大陸の最上位者(3)19年のパンアメリカン大会優勝者(4)ホスト国枠1人。同一国の選手が各選考基準をクリアした場合のみ、3人が選ばれる例外がある。日本からCTに参戦しているのは五十嵐のみ。

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