みまひな銀 無念のサーブノーカウント「その1本がすごく大きかった」

[ 2019年4月29日 01:25 ]

卓球・世界選手権個人戦最終日 ( 2019年4月28日    ハンガリー・ブダベスト )

<世界卓球(女子ダブルス決勝)>中国ペアに敗れた伊藤(左)と早田(撮影・吉田 剛)
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 女子ダブルス決勝があり、伊藤美誠(18=スターツ)・早田ひな(18=日本生命)組が、中国の王曼イク(20)・孫穎莎(18)組に2―4で敗れた。1967年ストックホルム大会の森沢幸子・広田佐枝子組以来、日本人ペア52年(20大会)ぶりの優勝を逃した。

 銀メダルを獲得した試合後の報道陣とのやりとりは以下の通り。

 ―感想

 早田「第1シードで臨んで、(前回の銅メダルより)一つ上の銀メダルを獲得できたけど、優勝を目標にしてきたので、悔しい思いが強い。90%ぐらい悔しいと思っている」

 伊藤「一つでも中国選手に勝たないと優勝できない。2―0から挽回されたのは、大きな壁。楽しい試合はできたのかな。ただ、ひなが言った通り、悔しい気持ちが大きい」

 ―第5ゲーム、9―9の場面。早田選手のサーブがネットにかかったとしてノーカウントになった場面について

 伊藤「もちろん、ああいう場面があって仕方ないけれど、私は絶対に違うと(審判に)言った。それは終わったことで、言い訳はできないけど、その1本がすごく大きかった。10―9になるところだった。タイムアウトもせずに勝てた試合(ゲーム)じゃないかなと思う。そこで負けたのは、ラッキーを勝ちに変えた、中国選手の精神面が強かったと思っている」

 早田「私がサーブを出して、軌道もかわらず、(孫が)レシーブミスをして、相手もミスをしたという表情をした。運がなかったと思う。運も実力のうち。私たちがもっと勝てるように実力を付けて、次はしっかり勝ちたいと思う」

 ―9―9のネット判定の後にタイムアウトを取った。その後に相手が思いきって来たのか。

 早田「私たちがやろうとしていたことを完全に読んでいた。これが来たら、こうやってこうするというパターンを相手が決めていた。タイムアウトを取ってなかったら、あの2人じゃ考えられなかったと思う。だからあのタイムが良かったかというと、そうではなかったかなって。相手は、監督の指示通りにやってきた」

 伊藤「審判が中国系というのもあって。しょうがないとしか言えないですけど、自分たちからすると、中国系にはしてほしくなかった。自分は日本人なので、(日本人と中国人との試合は)なるべく日本人と中国系は避けてほしい。これからそういうところは抗議していきたい、言っていきたいと思う」

 ―あのタイムアウトが与えた影響は

 伊藤「自分たちより相手が攻めてきた。私たちは普通で、押されてしまった。押し返しはできなかった」

 早田「タイムアウトを取ってからの戦術は相手が一枚上だった」

 ―タイムは馬場監督が取ったのか

 早田「9―7の場面で、最初に取るかどうか言われたけど、私たちは大丈夫となった」

 伊藤「ナインオールでもタイムアウトか言われた。でも大丈夫ってなって。その後にネットかネットじゃないかになって、馬場さんからタイムを取った」

 ―判定について審判の説明は?

 伊藤「(主審の)中国系の方じゃなく、もう一方が(ネットに触れたと)手を上げた。向こうが上げているから、という感じだった。私たちはビデオを見て、違うじゃんってなったけど、審判はビデオを見てなくて」

 ―1ゲーム目と2ゲーム目は何がうまくいったのか

 早田「相手は2人ともチキータがうまい。普通に攻めて、1ゲーム目を取られると、そのままの勢いでどんどんチキータをやられる。サーブで回転つけていったことでサーブが効いたり、サーブから3球目のコンビネーションがうまくいった。そこから相手が対処してきた時に少し甘くなったり、私の3球目(の強打)が安定しなくなってから、持っていかれた。そこで、下回転にしてストップさせてからの展開にしたり、チキータをさせないようにして、ストップか、突っつきかからの展開にして、相手が持ち上げたのを工夫してブロックして持っていっても良かった。あとは、大きい展開のラリーになったときは結構点数が取れていたので、お互いロングサーブから勝負しても良かったのかなというのはある」

 ―試合が終わった後の感情は

 早田「後悔じゃなくて、技術は出し切った」

 伊藤「もちろん一つ一つの技術は中国選手が上回っていたけど、やることはやって出し切れた。運の差で負けた。全部が一つずつ上回られた。運もそう、実力もそう、技術もそう。一つ一つ取られたので、そりゃ負けるなって感じ。合計点から見れば」

 ―コース取りはどう考えたか

 早田「(相手が)右右なので。基本的に孫穎莎が後ろで、王曼イクが前。孫に打つときに普通にバック側に打つと、クロスに来るボールが女子のトップ選手の中で一番速い。そこで、ちょっと横下回転を入れて曲げるか、私はミドルに攻めた。フォアに攻めても、きょうは美誠がすごく動いてフォアストレートが決まっていた。美誠は、ナックルを使ったり、打てるときは打ったりとか。展開的に頭も冴えていていたが、最後の1本で、相手がギュって入れてきたり、思い切って打ってきた。メンタル的にも上だったかなと思う」

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