新十両昇進の若元春、SOMEDAY〜目指すは史上初“3兄弟同時”関取!

[ 2019年1月31日 05:30 ]

大相撲春場所番付編成会議

荒汐部屋の愛猫・モル親方を抱く若元春(撮影・西尾 大助)
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 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、若元春(25=荒汐部屋)の新十両昇進を決めた。弟の十両・若隆景(24=荒汐部屋)に続く十両昇進で、史上20組目の兄弟関取誕生となった。霧馬山(22=陸奥部屋)も新十両。大成道(26=木瀬部屋)は8場所ぶり、貴ノ富士(21=千賀ノ浦部屋)は6場所ぶりの再十両となった。

 大波3兄弟の次男が、三男に続いた。西幕下3枚目の初場所は7戦全勝で優勝。新十両を確実にしていた若元春は、正式に昇進が決まっても落ち着いていた。東京都中央区の荒汐部屋での会見で「正直、実感がないので。ここから先、少しずつ実感してくると思う」と淡々と語った。

 祖父は元小結・若葉山で、父も元幕下力士の相撲一家に育った。長男・若隆元は幕下、三男・若隆景は十両で、同じ荒汐部屋で切磋琢磨(せっさたくま)してきた。東洋大を経て17年春場所に三段目100枚目格付け出しでデビューした若隆景は昨年夏場所で新十両昇進。「稽古場で肌を合わせるようになって負けたくないという気持ちはあった。すぐ追いついてやろうと」。弟の躍進を目の当たりにし、5場所遅れで肩を並べた。

 初土俵から1年後の12年九州場所で幕下に上がったが、そこから新十両まで6年以上を要した。師匠の荒汐親方(元小結・大豊)は「3年は遅かった」とみている。素質はありながら稽古に没頭できない時期があり、若元春も「甘さがあった」と振り返る。

 昨年末、十両・蒼国来からアドバイスを受けたことが転機になった。「他のことばかり考えるのではなく、自分のためになることを考えた方がいいと言われた」。3兄弟で注目される中、雑念を振り払い稽古に集中した。その直後、道が開けた。「十両に上がって、遅れた分を取り戻せるように頑張りたい」。新十両は通過点でしかないと考えている。

 長男・若隆元は昨年秋場所、自己最高位の幕下7枚目に番付を上げた。若隆元の活躍次第では、唯一の3兄弟関取である十両・鶴嶺山(鶴ノ富士)、関脇・逆鉾、関脇・寺尾もできなかった3兄弟同時関取も見えてくる。「3人で関取の地位に立てたらいいと思う」。次男の奮闘でさらなる夢が広がってきた。

 ◆若元春港(わかもとはる・みなと)本名・大波港(おおなみ・みなと)。1993年(平5)10月5日生まれ、福島市出身の25歳。学法福島高から荒汐部屋に入門。2011年九州場所で荒大波のしこ名で初土俵。序ノ口デビューとなった12年初場所から剛士のしこ名に。17年夏場所で現在のしこ名に改名。得意は突き、押し、左四つ、寄り。1メートル85、131キロ。家族は両親、兄と弟。

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