新谷が9区区間賞 7人抜きの快走!一度引退、OL生活も「理由はお金」と昨年復帰

[ 2019年1月13日 16:57 ]

<皇后盃 全国都道府県対抗女子駅伝>9位でゴールする最終9区の東京・新谷仁美(撮影・成瀬 徹)     
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 2012年ロンドン五輪代表の新谷仁美(30)が13日、全国都道府県対抗女子駅伝の東京チームのアンカーで出場、31分6秒で区間賞に輝いた。

 2013年の世界選手権モスクワ大会女子1万メートルで5位入賞したが、翌14年1月末に引退を表明。その後はOLとして働いていたが、17年春に退職し夏過ぎにナイキと契約、18年6月に3000メートルの記録会から復帰していた。

 「走ることはそんなに難しくないですよ。速く走ればいいだけ。ただ単純に前の人がいれば抜けばいいだけですよ」

 ブランクを埋めた秘けつを聞かれた新谷は笑って答えた。

 「復帰した理由はお金。ビジネスです」

 ぶっちゃけ過ぎる競技復帰の秘密だったが、そこには嫌みもあざとさも感じられなかった。「走るのは嫌い」と公言、OL時代は一切走らず「ダイエット目的で腹筋だけは毎日300回していた」と言う。ただ、アスリート体質だっただけに、「腹筋が割れなかったんですよ」と女性としてはハードな日々の日課でもアスリートボディは維持できなかった。

 「OLは普通に事務職でした。残業したり…。でも、漫画(に描かれている)みたいな仕事ではなかったですね」と肌には合わなかったようだ。

 それでも、競技者として戻ってきたからには、結果を残すのが当たり前。「もう少し順位を意識していれば9位じゃなく8位になれた。100メートルぐらいの差だったら10キロの中で何とかできた。それは私のミス」。7人抜きの快走にも100%の満足感はなかった。

 今後の目標は4月の兵庫リレーカーニバルの1万メートル。「みなさんからは世界陸上とか東京五輪とか言っていただいて光栄ですが、私の視界には入っていません。今は目の前の兵庫リレーカーニバルで結果を出すことだけを考えています」。

 自ら「気分屋」と言い切る新谷は、「ひょっとしたら、あした(競技界から)いなくなっているかもしれないですよ」と茶目っ気たっぷりに笑っていたが、「1万メートルを走るのはストレスでしかない」中で「この大会だけは別。中高生と社会人が同じチームで走る唯一の大会。京都で走るのも気分転換になるし、楽しみの一つでした」とレース後も気持ち良さげな表情を浮かべていた。

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2019年1月13日のニュース