天理大またあと一歩 小松監督語った敗因「そこに少し差が出たのかな」

[ 2019年1月13日 05:00 ]

全国大学ラグビー選手権決勝   天理大17―22明大 ( 2019年1月12日    秩父宮ラグビー場 )

肩を落とす天理大フィフティーン(撮影・北條 貴史)
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 関東の壁は厚い。それが伝統校になれば、なおさらだ。秩父宮に沸くメイジコールが、紫紺のジャージーの背中を押す。準決勝で帝京大の10連覇を阻んだ天理大が接点で押し込まれる。前半はラインアウトの4連続ミスもあった。小松節夫監督(55)は7年ぶり決勝の自軍と、昨年準Vとの差を口にした。

 「メイジさんは去年悔しい思いをして、われわれは7年ぶり。そこに少し差が出たのかな」

 後半22分で17点差。攻撃もチグハグの完敗ムード。しかし、黒衣軍団には闘将がいた。フッカー島根主将だ。

 「キックに付き合っていたけど、吹っ切れて攻撃に集中できた」

 後半29分にゴール前で突進し、この日2本目のトライ。同35分のCTBフィフィタのトライは、自ら30メートル突破したことが起点になった。昨年までフランカー。卒業後はパナソニックへ進む。FWで一、二を争う運動量が驚異的な反撃を呼んだ。

 前回の準優勝からチームは変わった。バックス型から全国屈指のFWを持つようになった。全寮制になるなど、ハード面も“関東レベル”に近づいた。だが、最も変わったのは選手の意識だ。指揮官は「関西で本当に日本一になろうと思って大学に進む子は、うちをのぞけば同志社ぐらい。一生懸命練習するのは、日本一という意識をもっているからだと思う」と、関西3連覇中の今を語った。

 練習は競争が激しく、食事、清掃といった寮生活は選手の手によって年々向上した。完璧な日本語を話すトンガ人留学生も、規律の高さを証明する。

 「7年前は一発勝負で挑んだ。チーム力はピークだった。今回はいい勝負ができると思って、結果的にダメだったけど、残った子がつながっていく。そういう意味で違う」

 同大での現役時代を含めて通算3度目の決勝で敗れた小松監督は前を向いた。先発した下級生7人が、この悔しさを受け継ぐ。次の決勝戦まで7年もいらない。初の日本一だって、すぐ近くにある。

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2019年1月13日のニュース