稀勢 連勝発進で雑音封じだ!進退懸かる初場所2日目までの取組決定

[ 2019年1月12日 05:30 ]

調整を終え、田子ノ浦部屋を後にする横綱稀勢の里
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 日本相撲協会は11日、大相撲初場所(13日初日、両国国技館)の取組編成会議を開き、進退が懸かる横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)は初日に小結・御嶽海、2日目は平幕・逸ノ城と対戦することが決まった。御嶽海には過去6勝1敗で、横綱昇進後は3勝1敗だが、逸ノ城には直近で3連敗している。両極端な相手を突破して、復活の道を切り開く。

 進退の懸かる場所に向けて、慌てる必要などなかった。稀勢の里はこの日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で報道陣に非公開で調整した。関係者によると、土俵には入らず前日同様に基本運動で汗を流したという。相撲を取る稽古を再開した昨年12月27日以降、年末年始の休みを除いて2日連続で相撲を取らなかったのは初めて。順調な仕上がりをうかがわせるように、稽古後は引き締まった表情で車に乗り込んだ。

 運命の鍵を握る2日目までの取組が決定した。横綱昇進後、初日に勝った2場所は皆勤しており、敗れた5場所は全て途中休場。稀勢の里自身も「大事だと思う」と捉えている初日の相手は御嶽海になった。12場所連続三役在位の実力者で楽に勝てる相手ではないが、6勝1敗と合口は悪くない。横綱昇進後に同じ相手から3勝しているのは御嶽海と正代だけ。勝利のイメージを膨らませて臨めるのは大きい。

 昨年九州場所は初日から4連敗し、右膝負傷で5日目から途中休場した。全休した冬巡業の間は体づくりに重点を置き、それが自信の源になっている。9日の二所ノ関一門連合稽古で稀勢の里の動きを見た阿武松審判部長(元関脇・益荒雄)は「(右膝の)ケガをかばうことなく、体全体を使ってやっていた。期するもの、意気込みを感じた」と話した。逸ノ城には横綱昇進後は3連敗だが、その前は7連勝している。御嶽海を退けてリズムをつかめば、連勝発進も難しくはないはずだ。

 兄弟子として成長を見てきた西岩親方(元関脇・若の里)は「先代(故鳴戸親方、元横綱・隆の里)からは最初、押ししか教えるなと言われていた。稀勢の里の一番の良さは押し。とにかく前に出ること」とみている。場所前の稽古では、まわしにこだわらず結果を出してきた和製横綱。強烈な押しのある2力士をはね返すことができるかどうかに懸かってくる。

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