青学大 往路6位 総合V5&3冠に暗雲も原監督「歴史に残る大逆転をしようぜ」

[ 2019年1月3日 05:30 ]

第95回箱根駅伝往路 ( 2019年1月2日 )

ゴール後、レースを振り返る(左から)青学大・竹石、森田、原監督、梶谷、橋詰(撮影・会津 智海)
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 これが5連覇への壁なのか。青学大が、まさかの6位フィニッシュ。往路を終えた選手たちの重い足取りが、その意味を物語る。栄華を極めたはずの原晋監督は「厳しいな…。簡単に返せるタイムじゃない」と言い、「箱根駅伝は難しい。何が起こるか分からない」と漏らした。平成最後の箱根路は、優勝候補に容赦ない“逆風”を吹きつけた。

 天国から地獄へと突き落とされた。史上初となる2度目の大学駅伝3冠へ発令された「ゴーゴー大作戦」を3区まで完璧に遂行した。前回の3連覇を知る森田歩希(4年)が当日エントリー変更で3区に配置。11月下旬の股関節痛からカムバックを果たした主将は、8位から7人を抜き、区間新記録を叩き出した。トップでつなぎ、歴代2位タイのV5へ独走態勢に入るかに見えた。

 だが、4区の岩見秀哉(2年)が区間15位と失速し3位に後退。5区・竹石尚人(3年)もさらに3つ順位を落とした。「誤算は4区」。そう振り返る原監督は「(岩見は)低体温症の報告を受けた。3大駅伝初出場だから過度の期待をかけてしまったのかな」と語った。竹石も「10キロから足がつった。一年の取り組みがこんな形になったのが情けない」と自らを責めた。

 トップの東洋大との差は5分30秒。第1回の1920年に往路2位の東京高等師範学校(現筑波大)が明大との8分27秒の差から総合優勝したことはあるが、平成では06年に往路6位の亜大が2分51秒の差をひっくり返したのが最大。ここからの総合優勝は、平成最大の逆転劇を意味する。「復路優勝はしたい」と語る指揮官がはじき出す最適解は、補欠に回った前回1区5位の実力者・鈴木塁人(3年)の8区投入だ。アンカー予定だったが、6区・小野田勇次(4年)、7区・林奎介(4年)の前回区間賞2人の直後に前倒し。理想は6〜8区で1分半ずつ追い上げ。「(東洋大を)見えるところまで追い詰めたい」。好調の1年生・飯田貴之の位置も直前まで熟考する。

 箱根路はまだ半分。「豚汁食って、早く寝る」。そう切り替えた指揮官は選手たちに語りかけた。「歴史に残る大逆転をしようぜ」。その言葉に呼応した時、奇跡が見えてくる。

 【箱根駅伝の大逆転劇】 往路5位以下からの総合優勝は過去94大会で2度。1986年(昭61)の順大は5位から6分32秒差をひっくり返し、2006年(平18)には6位の亜大が2分51秒の差をひっくり返して初の総合優勝を果たした。往路6位でトップと5分30秒差の青学大が5連覇を果たせば、平成最大の逆転劇となる。

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