ブランクゆえの手探り 早実2回戦で敗退 全国高校ラグビー大会

[ 2018年12月30日 21:02 ]

第98回全国高校ラグビー第3日・2回戦   流経大柏53―0早実 ( 2018年12月30日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<早稲田実・流経大柏> 後半28分、早実ディフェンスを抜き去ってトライを決めた流経大柏・柳田(撮影・大森 寛明)
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 1回戦で大会歴代最長ブランク記録の87大会ぶりの勝利を挙げた早実(東京第1)は、Bシードの流経大柏(千葉)に0―53で零敗負けを喫し、敗退が決まった。OB会の支援で新調された赤黒のファーストジャージーで臨んだが、正月越えはならなかった。

 戦前から「まずディフェンスが大前提」と番狂わせの鍵を挙げていた大谷寛ヘッドコーチだが、試合序盤からそれは崩れた。個々のフィジカル、集散の速さで段違いのプレーを見せられ後退、背走の連続。FW同士の力勝負でも劣勢が続き、前後半9トライを奪われた。序盤には見せ場もあったものの、トライには結びつけられず。指揮官は「完敗です。気持ち以外は完敗。全国トップの壁を思い知らされました。どう転んでも今のレベルでは太刀打ちできなかった」と認めた。

 出場自体も歴代最長ブランクの79大会ぶり。東京都予選を勝ち上がって花園切符をつかんだ後は、手探りの日々が続いた。スタッフは宿や練習場所の確保に奔走。通常は中1日で公式戦をこなすことはないため、ピーキングや調整方法も模索しながら約1カ月間を過ごした。隣県の花園出場校やその他の強豪校と練習試合を組もうにもすでに予定は埋まっており、早大ラグビー部の上井草グラウンドに出向き、大学生相手に実戦に近い強度の高い練習も積んだという。その過程で主力にケガ人が出る誤算もあったが、そうした経験は来年度以降への財産となる。大谷ヘッドコーチも「いろいろと勉強させていただいた。来年以降につなげたい」と語った。

 すでに3年生は早大への進学が決まっており、主力のFB小泉怜史は「ラグビー人生のいい経験になった。大学でもラグビーを続けるので、いい形でつなぎたい」と話した。同じジャージーを着て、今度は秩父宮で暴れる。伝統校で新たな歴史をつくったラグビーマンたちが、次のステージへと旅立った。

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2018年12月30日のニュース