関東学連・明学大 鈴木陸、先輩の思い背負い、建学155周年初の“大役”

[ 2018年12月30日 10:30 ]

明治学院大・鈴木陸(340)
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 【箱根に駆ける(3)】建学155周年。節目の年に明学大初の箱根ランナーが誕生するかもしれない。学生連合チームに選ばれた鈴木陸は「自分が走ることで最終目標のチーム出場に向けた第一歩にしたい」。東京都港区白金にキャンパスを有する明学大の“陸王”が箱根路に飛び出そうとしている。

 11月24日の1万メートル記録挑戦会。予選会のタイムと記録会のタイムで出走10人が決まるため、予選会時点で11位の鈴木にとっては10位以内に浮上するためにも“絶対に負けられない戦い”だった。記録は自己ベストを大幅に更新する29分50秒89。10番目に滑り込み当確を確信すると「予選会で引退した4年の仲間も練習で引っ張ってくれた。やらなきゃという思いは予選会より強かった」とやっと笑顔を見せた。

 実は明学大には鈴木の前にも箱根を走りかけた選手がいた。2学年上で元主将の宮岡盛治だ。学生連合のメンバー入りを果たしたが、当日の出走はかなわず。幻の箱根ランナーとなった。

 鈴木は主将としての心構えを宮岡に学んだと話す。尊敬する宮岡の出走に向けて、コースの下見に同行した。ただ、先輩は晴れ舞台に立つことはなかった。記録挑戦会の前にはその宮岡から「陸の人生で大切な日になるから楽しんで」と声を掛けられたという。その一声でリラックスできた。「自分のことのようにうれしいと言ってくれた。あとは僕が走るだけ」。宮岡の思いもたすきに込める。

 29日の区間エントリーでは補欠に回ったが、当日変更での起用の可能性も十分。希望区間は専大で箱根に出場した父・健さんも走った7区。90年大会に出場した健さんの記録は1時間10分1秒の区間13位だった。「もちろん父の記録は抜きますよ。みんな応援してくれるし、手は抜けませんよね」。白金のパイオニアの目は燃えている。

 ◆鈴木 陸(すずき・りく)1996年(平8)8月5日生まれ、茨城県出身の22歳。秋山中―水城高。中学までは野球部に所属。陸上は高校から本格的に始め、全国高校駅伝にも出場した。今季は5000メートル、1万メートル、ハーフマラソンで自己記録を更新。自己ベストは1万メートルが29分50秒89。1メートル74、54キロ。

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2018年12月30日のニュース