早実87大会ぶり勝った!“清宮パワー”幼なじみ今駒3トライ

[ 2018年12月29日 10:28 ]

第98回全国高校ラグビー第2日・1回戦   早実55―3名護 ( 2018年12月28日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<名護・早実>後半24分、早実・今駒がトライを決める(撮影・大森 寛明)
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 1回戦残りの11試合が行われ、早実(東京第1)は名護(沖縄)を55―3で下し、あす30日の2回戦進出を決めた。今大会が歴代最長の79大会ぶり出場の早実だが、大会勝利も1928年度の第11回大会以来、87大会ぶりで最長ブランク記録を更新。同校OBの日本ハム・清宮幸太郎内野手(19)が応援に駆け付けた中、同内野手とワセダクラブでチームメートだったWTB今駒有喜(3年)が3トライを挙げる活躍を見せた。

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 創部100周年シーズンに復活を遂げた早大に続けとばかりに、弟分の早実が87大会ぶりの全国大会勝利を挙げた。28年度当時は南甲子園運動場(兵庫県)で開催されていたため、花園では初勝利。大会全試合を中継するJ SPORTSの企画制作部プロデューサーで、休暇を取って指揮を執った大谷寛ヘッドコーチは「ドキドキの試合でした。選手は地に足が着いていなかった。“初陣”の洗礼です」と反省も、ホッと胸をなで下ろした。

 伝統校らしく、文字通りワセダのDNAを受け継ぐ2世が活躍した。早大ラグビー部の相良南海夫監督の次男でNo・8の昌彦主将(3年)とともにハットトリックを達成したのが、元日本代表CTB今駒憲二氏の長男の有喜。前半21分には外に切るステップとハンドオフで対面を振り切って最初のトライ。「得意の1対1でたくさん勝負できた。自分の武器なので」と喜んだ。

 父に連れられ3歳からワセダクラブでラグビーを始めた際、1歳年上の清宮もすでに入部していた。年を重ねてからは「(清宮は)強すぎて、1つ上のカテゴリーに行ってしまった」と一緒にプレーすることはなかったが、今でも「ユウキ」「コウタロウ」と呼び合う間柄。花園出場を決めた際も祝福メールでパワーをもらった。

 一時は偉大な父の存在に嫌気が差し、ラグビーから離れた時期もある。早実中では野球部に所属。二塁手で「盗塁やセーフティーバントばかりしていた」というが、野球部時代の走り込みがラグビーに戻ってからも生きた。50メートルは6秒0。ステップでもスピードでも相手を振り切る力が3トライを生んだ。

 OB会の支援もありジャージーを新調した早実だが、2回戦の流通経大柏戦もセカンドジャージーの着用が決まっている。「やっぱりワセダと言えばアカクロなので」と今駒。袖を通さずして帰京はできない。(阿部 令)

<相良も魅せた3T> ○…前半10分の逆転トライなど3トライを挙げた相良は「味方のアシストが良かった」と感謝した。後半19分には右サイドライン際でSO鳥海(3年)の約40メートルのキックパスをダイレクトキャッチしてトライする見事な連係も披露。父も観戦する中で豊富な運動量とキャプテンシーを発揮し「攻撃では準備してきたことが出せた」と話した。

<父の教え「迷わず踏み込め」植野タックルが流れ変えた> ○…劣勢の立ち上がりで流れを変えたのが、CTB植野(3年)のビッグタックルだ。3点を追う前半10分、低く鋭いタックルでターンオーバーを誘うと、味方が速攻を仕掛けて相良の逆転トライにつなげた。大谷ヘッドコーチが「他の選手には言わないが、植野には“抑えていけ”と言う。猪突猛進」と評する愚直な副将。植野も「ディフェンスで流れを変えないといけないと思っていた。ちょっとずれましたけど」と笑った。植野の父・昌洋さんも早大OB。幼少期から「ちゅうちょせず踏み込め」と教えられたタックルを大舞台で披露した。

<観戦の日本ハム・清宮「後輩に感謝」> ○…早実OBでプロ野球日本ハムの清宮が早実―名護を友人らと観戦した。小4まで野球とラグビーを両立しており、花園を訪れるのは「かなり久しぶり」と懐かしそう。存在に気づいたラグビーファンから次々と握手を求められる中、試合は早実が圧勝で初戦突破。「後輩たちに楽しませてもらいました」と喜んでいた。また、中学3年の弟・福太郎を早くも日本ハムが調査する可能性が出てきたことに清宮は「記事見ました」と苦笑い。来春、早実に進学する弟へ「普通にやれば良い。(早実は)やりやすいチームですから」とエールを送った。

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