旭川龍谷 先制も無情ノーサイド…39大会ぶり白星ならず

[ 2018年12月28日 10:29 ]

第98回全国高校ラグビー第1日・1回戦   玉島26-5旭川龍谷 ( 2018年12月27日    東大阪市・花園ラグビー場 )

<玉島・旭川龍谷>逆転負けに肩を落とす旭川龍谷フィフティーン(撮影・北條 貴史)  
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 開会式と1回戦8試合が行われ、39大会ぶり3度目出場の旭川龍谷(北北海道)は玉島(岡山)に5―26で敗れ、39大会ぶりの白星はならなかった。前半22分にFB湯口龍雅(3年)のトライで先制したが、後半に失点を重ねて逆転で敗れた。

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 無情のノーサイドの笛が鳴り響いた。スタンドに深々と頭を下げあいさつした旭川龍谷の選手たち。ベンチに戻ってくると、そのほおには涙がつたった。就任16年目で初めて花園の地を踏んだ小西良平監督(41)は言った。

 「前半はこちらのペースでしたが、取れるところでしのがれた。後半はバテてしまった。(守りでは)一瞬の動きに切り替えがきかなかった。全国で1勝する難しさが改めて分かった」

 前半は主導権を握った。前半22分には中央からのパスを受けたFB湯口が右中間にトライ。均衡を破る先制点を奪った。だが、前半でもう1トライを奪えずに5―5の同点で折り返すと、後半は中央突破や独走を許し、計3トライを奪われて突き放されてしまった。湯口主将は「思うようにいかなかった。先制トライは絶対に自分が決めようと思ったので良かったが…。全国は甘くなかった」と涙を拭った。

 それでも、古豪復活への確かな一歩を刻んだ。花園から39大会も遠のき、その間には部員わずか5人という部存続の危機的状況もあった。そんな苦難の時を乗り越えてきた。部員数を確保すると、校舎の1階から3階までの廊下と階段をほぼ全力で走って脚力を鍛えるユニークな練習を取り入れ、花園切符を手にした。

 新たな歴史は始まったばかりだ。次に狙うのは花園での白星。湯口主将は「後輩には自分たちができなかった1勝、2勝、シード校に挑戦してほしい」と思いを託した。39大会ぶりに花園に刻んだ一歩。古豪復活への道は確かに見えた。(武田 政樹)

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2018年12月28日のニュース