聖光学院 「仕掛ける」ロック菅野が初戦突破のキーマンに

[ 2018年12月28日 09:57 ]

第98回全国高校ラグビー大会きょう城東戦

花園のグラウンドを行進する聖光学院フィフティーン(撮影・大森 寛明)
Photo By スポニチ

 第98回全国高校ラグビー大会は27日に東大阪市の花園ラグビー場で開幕した。開会式に臨んだ初出場の聖光学院(福島)はきょう28日、1回戦で2年連続12度目出場の城東(徳島)と対戦する。勝利の鍵を握る選手を紹介する第2回は、FW陣を支えるロック菅野正毅(3年)。トップリーグに昇格が決まった三菱重工相模原ダイナボアーズ・伊藤雄大コーチ(36)から学んだ自慢のパスを存分に生かし、花園1勝に貢献する。

  ◇    ◇    ◇

 常に全力で声を出し、チームを鼓舞する。ロック菅野は、冷静な判断力と1メートル78、94キロの体格を生かしてFW陣の核となる。佐藤忠洋監督(44)は菅野について「ガッツのある選手。いつもいい場所で仲間をフォローしてくれる」と評価する。

 聖光学院の展開ラグビーは4ポッドという起点を4カ所でつくる布陣を採用しており、FW陣もハンドリング技術が重要となる。菅野は「FWの中でも自分はしっかり回せる方」と自信を持つ。元々ハンドリングスキルは高かったが、BK陣との連係や、パス出しの方向などがうまくつかめず「自信のあるパスを生かし切れていなかった」と語る。

 トンネルから抜け出したのは三菱重工の伊藤コーチに言われた「たくさんボールを触っていい。おまえが試合をコントロールしろ」の言葉。「出しゃばって、自分が仕掛けていいんだと思えた」。周りが見える冷静な性格だからこそ、周りを生かそうとしすぎていたことに気づき、積極的にボールに関わるようになった。夏場から続けた走り込みも奏功し「最後まで全力で走ってつなげられるようになった」と手応えを感じている。

 高校卒業後は、中国へ語学留学するため、花園がラグビー人生の集大成となる。菅野は「相手はキーマンが何人もいるけれど、組織で戦うことができれば勝てる。自分の力を全て出し切って、トライを決めたい」と誓う。聖光学院の組織を生かすキーマンが、大舞台でも本領発揮する。(秋元 萌佳)

続きを表示

2018年12月28日のニュース