稀勢 初場所出る!「仕上げて初日目指す」勝負の1・13

[ 2018年12月26日 05:30 ]

初場所にむけ意気込みを語る稀勢の里(撮影・西川 祐介)
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 日本相撲協会は25日、大相撲初場所(来年1月13日初日、両国国技館)の新番付を発表し、横綱・稀勢の里(32=田子ノ浦部屋)が10場所ぶりに東の正位に座った。九州場所は横綱としては87年ぶりの初日から4連敗(不戦敗を除く)を喫し、右膝負傷により途中休場。依然として相撲を取る稽古はできていないが、進退の懸かる場所への出場に意欲を示し、鬼門の初日に照準を定めた。

 進退の懸かる場所に向けて、和製横綱の覚悟は固まっていた。8場所連続休場が始まった昨年夏場所の後で、稀勢の里が番付発表で会見に臨んだのは初めて。東京都江戸川区の田子ノ浦部屋に50人超の報道陣が集結した中、「一日一番、いい相撲を取れるように頑張っていきたい」と出場の意欲を示した。

 12月の冬巡業は右膝などの治療とリハビリを優先させて全休。その間は四股、すり足などの基本運動で鍛錬を続け「まだ相撲は取っていないが、相撲以外の部分はいい状態に仕上がった」という。年内に相撲を取る稽古を再開予定で「切れだったり感覚だったり、いい部分をどんどん伸ばしたい」と重点課題を明かした。

 九州場所後の横綱審議委員会では、奮起を促す「激励」が決議された。「初場所ではいい結果を残すことが大事になる。しっかり受け止めていきたい」。15日間を乗り越えられなければ、引退が避けられない状況となる。逆風の中でポイントに置いているのが鬼門の初日だ。横綱昇進後は全休した場所を除き、初日は2勝5敗。敗れた場所は全て途中休場に追い込まれ、勝った場所は皆勤している。初日の重要性を問われると「大事だと思っている」と即答。「いい状態に仕上げて初日を目指していきたい」と鬼門突破を見据えた。

 8場所連続休場から進退を懸けて臨んだ秋場所では9場所ぶりの皆勤で10勝を挙げたが「たまたま勝ったようなところがあった」と捉えている。九州場所では連日のように左差しを封じられ、黒星を重ねた。相手の研究をはね返すために「相手のことも自分のことも分かっていかないといけない」と改めて自分を見つめ直す考えだ。

 「負ける相撲も原因はあるし、勝つ相撲も要因がある。いろいろ経験をさせてもらった。経験を生かしてやっていきたい」。失敗の繰り返しすらも財産に変え、稀勢の里が大勝負に挑む。

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