坂本、逆転で新女王!自己最高10点更新「うれしいの一言」

[ 2018年12月24日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第3日 ( 2018年12月23日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

女子フリー、演技を終えガッツポーズをする坂本花織(撮影・小海途 良幹)
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 ドラマは、最後に待っていた。152・36点を叩き出した坂本は両手を口に当て、目を見開いた。「145点は超えようと思っていたけど。150って…ええっ!!」。国際連盟非公認ながら、自己最高を約10点も更新するハイスコア。紀平も宮原も抜き、表彰台の頂上までたどり着いた。「うれしいの一言です」。初勝利の味に浸った。

 激戦を制した突破口は、表現力だった。3回転ルッツで軽微なミスは出たが、スピン、ステップは最高レベル。5項目の演技点は、初の70点超えとなる73・25点を記録した。GPファイナル後にフランス人振付師ブノワ・リショー氏による指導を受け、審査員へのアピール不足を指摘された。「ジャッジさんに“跳ぶから見てろよ!”と。視線でノックアウトしようと思って」。大会中に2度も靴のエッジを研磨するハプニングにも、動じない。「死に物狂いでいこう」。演技直前の中野園子コーチの言葉に燃えた。

 昨季の四大陸選手権で苦しんだ足裏の「うおのめ」を、春先に手術をして切除した。靴の中にスポンジを当てる手間もなくなり、練習では限られたリンクの使用時間をフル活用し競技に集中できている。「大人」が今季のテーマ。「全てに余裕がある」という06年トリノ五輪Vの荒川静香さんを手本に磨いた表現力が花開いた。

 来春からは地元の神戸学院大に進学する。関係者によると、神戸市内の練習拠点に大学のキャンパスが近く、6歳の時から師事する中野コーチに継続して指導を受けるためという。初の世界選手権切符を獲得した18歳は「今回よりもいい演技ができるように頑張ってきたい」とエース襲名を誓った。

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2018年12月24日のニュース