男子・倉敷、ハンデ乗り越え返り咲き 7月西日本豪雨でトラック練習できず

[ 2018年12月24日 05:30 ]

全国高校駅伝 ( 2018年12月23日    京都・西京極陸上競技場発着 )

ガッツポーズでゴールする倉敷のアンカー・井田(撮影・井垣 忠夫)
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 男子は7月の西日本豪雨で被害を受けた倉敷(岡山)が、ハンデを乗り越え2時間2分9秒で2年ぶり2度目の優勝を飾った。昨年は佐久長聖(長野)とのマッチレースに敗れて2位。その悔しさもバネに王座を奪還した。女子は5位でたすきを受けた神村学園5区の留学生、カマウ・タビタ(3年)が区間賞の走りで逆転し、25度目の出場で鹿児島県勢として初優勝を飾った。

 ゴールテープは、復興への道につながっている。見えない力に背中を押された倉敷が、2度目の優勝を飾った。

 昨年は佐久長聖(長野)と2強を形勢も6区で逆転されて悪夢のV逸。今年は新雅弘監督が「6区で勝つ」とリベンジ要員で起用した石原翔太郎(2年)が、狙い通りに快走した。2・8キロ付近で、世羅の北村惇生(2年)をかわし13秒の貯金をつくると、7区のアンカー、井田春(3年)も区間賞の走りでゴールを駆け抜けた。

 西日本豪雨の影響で例年7月にトラック練習を行う市の運動公園が自衛隊の災害派遣基地となり、被災後約1カ月使えなかった。その間は、学校周辺のロードで練習。大会直前は、足を冷やさないように足裏にカイロを貼り長靴で登校した。

 2年前に「勝又」姓で初優勝した指揮官は今年、家庭の事情で旧姓の「新」になり「新監督でもV。これ、狙っていました」とニンマリ。今年の元日午後1時に「1が並ぶ」と縁起を担いで練習した倉敷が、被災地へ1番の感動を届けた。

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2018年12月24日のニュース