早大 土壇場逆転4強 逆転トライの佐々木「4年間で初の年越しなのでうれしい」」

[ 2018年12月23日 05:30 ]

ラグビー第55回全国大学選手権準々決勝   早大20―19慶大 ( 2018年12月22日    秩父宮 )

後半ロスタイムに早大は劇的な逆転トライを決め、長田(左から2人目)と抱き合い、喜びを爆発させる佐々木(左)(撮影・吉田 剛)
Photo By スポニチ

 早大は慶大を20―19で破り、準優勝した13年度以来、5季ぶりの準決勝進出を決めた。4点を追う後半ロスタイムにWTB佐々木尚(4年)がインゴール右隅に飛び込む劇的な逆転トライ。今季は控えに回ることが多かったストイックな努力家が、相良南海夫監督(49)の起用に応えた。10連覇を目指す帝京大、明大、関西王者の天理大も勝利。来年1月2日の準決勝(秩父宮)は明大―早大、帝京大―天理大の組み合わせで行われる。

 4点を追う後半ロスタイム、早大はアドバンテージを得たところでボールを大きく外へ回した。中央のラックから5人を経由し、右サイドライン際でパスを受けたのは本来逆サイドのウイングである佐々木。最後はタックルを浴びながらもグラウンディングすると、抱擁の嵐を浴びて満面の笑みを浮かべた。

 「あまりディフェンスのいい選手ではないが、リザーブで出た早慶戦、早明戦でいいディフェンスを見せてくれていた。高校時代に慶応に負けたので、その思いに懸けた」

 相良監督は10月の青学大戦以来の佐々木の先発起用について、そう説明した。高校ラグビーの名門、神奈川・桐蔭学園高出身だが、3年の冬は慶応高に県予選決勝で敗れ花園に出場できず。受験では早慶双方に合格した佐々木だが「花園に行った代の慶応に勝ちたい思いがあった」とアカクロを選択し、4年越しの目標を達成した。

 昨年の早慶戦は先発してチームも勝ったが「自分たちの代ではないので」と4年になった今年に懸けていた。だが「慢心した部分があった」と2年の古賀や1年の長田にポジションを奪われた。それでも同学年の佐藤主将が「部内一ストイック。今朝も6時半からトレーニングをしていた」と称える努力の虫に、指揮官も機会を与えた。先制を含めて2トライの佐々木も「4年間で初の年越しなのでうれしい」と話した。

 ラグビーには大学で区切りを付けることを決めている佐々木。自らのトライで延びた現役生活を、笑顔で締めくくるつもりだ。

 <慶大>痛恨の逆転負けに医学部生主将のSO古田は「結果を求めて4年間やってきた。悔しい」と唇をかんだ。後半24分にスクラムを起点に古田が自らトライを奪い逆転。4点リードで終盤を迎えたが、残り30秒で終始優勢だったスクラムで痛恨の反則。その後のトライにつながれた。古田の他にもFB丹治、ロック辻ら慶応高で花園に出場した選手が引っ張った代だったが、19季ぶりの大学日本一に届かなかった。

続きを表示

2018年12月23日のニュース