紀平魅せる!大会女子史上最大の逆転劇 靴の“ベスト”探り練習最多3回転半11回成功

[ 2018年12月23日 05:30 ]

フィギュアスケート全日本選手権第2日 ( 2018年12月22日    大阪・東和薬品ラクタブドーム )

靴にテープを巻く紀平梨花(撮影・小海途 良幹)
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 大会史上最大の逆転劇へ、準備は整った。女子ショートプログラム(SP)で5位と出遅れた紀平梨花(16=関大KFSC)が22日、会場で公式練習に参加し、最終組の6人で唯一、本番用衣装で滑った。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)に11回成功。今大会の練習で最も多く決め、上り調子で23日のフリーへ向かう。

 21日のSPで代名詞のジャンプに失敗したのは、スケート靴が合わなかったことが原因だった。両足首付近の革が柔らかいため、シューズの上からテープを巻いて補強をしているが、右足だけ「なんでこんな固さにしたのかな」と言うほどきつく固定したという。違和感を生み、高得点の大技で転倒した。

 この日の氷上でも、何度も両足のテープを気にする場面があった。はがしたり、巻き直したり。“ベストなきつさ”を探りながら踏み切り、次々とリンクに降り立った。

 シニアデビューの今季は5戦全勝。今大会でも16歳への期待が大きいが、ミスが目立ったSP後も冷静だったという。母・実香さん(47)は「いつも通り体をほぐして眠りました。今日は靴が合わなかったからしゃあない、みたいな感じで」と様子を説明。心は折れていない。

 13年の鈴木明子は、浅田真央との2・82点差をフリーでひっくり返した。紀平が首位・宮原との8・01点差をはね返して初Vを飾れば、大会女子史上最大の逆転劇が完成する。11月のNHK杯では、首位トゥクタミシェワ(ロシア)との6・58点差をまくった実績がある。2本跳ぶトリプルアクセルが、ドラマを呼ぶ。

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